2024年07月02日
プロジェクト紹介
信頼の源泉は役職員一人ひとりの人間力「健康経営と社内コミュニケーション」
東京建物グループは、役職員の人間力が企業の力となり、成長につながっていくと考えます。人的資本を最大化し、企業価値の向上を実現するために、注力しているのが健康経営の推進と社内コミュニケーションの醸成です。今回は具体的な取り組みについてご紹介します。
役職員と組織がともに成長し、企業価値向上を目指す
東京建物グループは、快適なオフィス・住空間の創造はもとより、環境・生物多様性の保全、地域社会への貢献など、多様な価値をお客様・社会に提供してきました。そして、その価値を生み出しているのは様々な課題・要請に応えようとする役職員一人ひとりであり、人材こそが企業の価値創造と持続的な成長を実現する源泉であると考えています。
そのような理念のもと、東京建物グループはマテリアリティに「従業員の成長と働きがいの向上」「ダイバーシティ&インクルージョン」を掲げ、人的資本を最大化すべく様々な施策を推進しています。役職員が成長し最大限のパフォーマンスを発揮できる環境を組織が支え、それに役職員が応えるという双方向の関係性により、企業価値の向上を目指しています。
役職員の心身の健康を経営課題に
東京建物グループは役職員が心身ともに健康で生き生きと働けるよう、「健康経営」の推進に注力してきました。「健康経営」とは、役職員への健康配慮を経営課題として捉え、その取り組みを通じ生産性向上を目指すという企業経営の考え方です。社長を最高健康経営責任者とする「東京建物グループ健康経営宣言」に基づき、様々な取り組みを行っています。
東京建物グループ健康経営宣言
東京建物の企業理念は「信頼を未来へ」であり、“世紀を超えた信頼を誇りとし、企業の発展と豊かな社会づくりに挑戦する”という意味が込められています。
この企業理念を体現するためには、役職員ならびにその家族が健康であることが大切と考えております。
私たち東京建物グループは、役職員の心身の健康を「企業の持続的な発展の源泉」と捉え、一人ひとりの健康の維持・増進活動を積極的に推進してまいります。私は「最高健康経営責任者」として、そのための環境整備を強化し、グループ一丸となって「健康経営」に取り組むことを宣言いたします。
東京建物株式会社 代表取締役社長執行役員 野村 均
本格的に取り組みがスタートしたのは2011年。「100%元気!」というキャッチフレーズを掲げ、役職員の健康維持・増進に関する施策を実施し、健康診断受診率向上のほか残業時間の削減やメンタルヘルス対策などに取り組みました。その結果、同年に初めて健康診断受診率100%を達成し、以来100%受診を継続しています。メンタルヘルス対策では法定のストレスチェックに加え、各種の研修を実施。新たに部下を管理する立場となった管理職を対象にしたメンタルヘルスラインケア研修は受講率100%を継続しており、メンタルヘルスの重要性に対する理解の浸透を図っています。2016年からは、新入社員必須の研修としてセルフケア研修を実施しているほか、精神科顧問医との連携もスタート。メンタル面でのケア体制を拡充しています。さらに2017年より集団歯科検診、2019年からは禁煙に向けた取り組みを開始。また、ICTを活用した取り組みも効果を生んでおり、特定健診で生活習慣病リスク保持者となった40歳以上の役職員を対象にオンライン面接、測定機器と連携したアプリを用いた特定保健指導を実施。特定保健指導の実施率・終了率ともに100%(2023年度)となっています。
こうした健康経営の推進によって、東京建物は、経済産業省が特に優良な健康経営を実践している法人を顕彰する制度「健康経営優良法人」において、「ホワイト500(調査結果の上位500法人)」に認定されています(2024年時点で4年連続・7回目)。加えて、一部のグループ会社では「健康経営優良法人認定」を受けています。
社内コミュニケーションを活性化し、相互理解を深める
東京建物の従業員数は、近年の業容の拡大に伴い大幅に増加。コロナ禍によるリモートワークの広がりもあり、かつての役職員同士の「顔が見える関係性」の維持が難しくなっていました。外部機関を利用し従業員の企業に対する共感度合いを測る調査(エンゲージメントサーベイ)の結果でも、「階層間の意思疎通の希薄化」が課題として表れていました。そこで、役職員同士のコミュニケーションのきっかけを増やすことで交流機会を創出し、相互理解を深めるための様々な施策を実施しました。
特に重視したのが、多様な役職員間の交流促進です。部門・役職を超えた役職員同士の交流を促進するため、ランチや懇親会に対して一定の条件のもと費用を負担する仕組みを導入。これにより、他部門間や上席・若手間での対面交流の機会が増加し、社内で新たなつながりやコミュニケーションが生まれています。
また、本社内のグループ役職員交流の場である「グループコミュニケーションルーム(通称:グルコミュ)」では、夕方17時30分以降、ビールサーバーから注がれるクラフトビールをはじめとした酒類やノンアルコール飲料・紅茶などの無料提供を行っており、日中の憩いの場所としてだけでなくグループ役職員のカジュアルな懇親の場として利用されています。
また、健康づくりにも関連する取り組みとして、2021年からスマートフォンの歩数計アプリを活用したグループ合同の「ウォーキングラリーイベント」を開催しています。社長を含め多くのグループ役職員が積極的に参加しており(2023年には1,700人以上が参加)、健康増進だけでなくコミュニケーションの創出にもつながる取り組みとなっています。
さらに、2022年より役職員のプロフィール共有ツールを導入。役職員それぞれのプロフィールページを参照することで経歴・キャリアやスキルのほか、趣味・特技・出身地などの情報を発信・閲覧することができます。特定の趣味をきっかけとした交流につながるなど、オフラインでのコミュニケーションが促進されています。
長期ビジョン「次世代デベロッパーへ」の実現に向けて
まもなく創業130年を迎える東京建物にとって重要な事業基盤は、「信頼を未来へ」という企業理念が物語るように、“世紀を超えた信頼”です。お客様・社会からの期待に応え続けること、一つひとつのプロジェクトで関係者・パートナーと確固たる信頼関係を築くことが、私たちの最も大切な土台となります。
そのとき問われるのは、人間力です。役職員一人ひとりが人間力を高め信頼を獲得し、信頼に応える仕事を続けていくためには、心と身体の健康とコミュニケーション豊かに生き生きと働くことができる環境が重要です。
これまでの取り組みの積み重ねによって、健康づくりが会社による「管理型」から役職員各自による「自主・自律型」へと変化してきました。健康に対する意識が自覚的・自発的なものになることで、より高い効果が期待できます。
社内コミュニケーションの活性化は、部門間・グループ会社間での連携の円滑化にとどまらず、人事異動時の環境移行をスムーズにするという効果も生んでいます。複雑化する事業を推進する上で、数字に表せないプラスの効果を生んでいます。
そして今、東京建物グループは、長期ビジョン「次世代デベロッパーへ」を掲げ、事業を通じて「社会課題の解決」と「企業としての成長」のより高い次元での両立を目指しています。この長期ビジョンの実現のためには、経営の重要な基盤である人的資本を最大化する必要があり、役職員一人ひとりがダイバーシティ・インクルージョンのマインドを持って人間力を高めていかなければいけません。そのためにも、東京建物グループは、健康とコミュニケーションをベースにした一人ひとりが働きやすい環境づくりを追求していきます。
担当者コメント
東京建物 人事部 今井 靖
『人』が中心にいて、はじめて巨大な建物が完成するのであり、当社が事業を進めていく上では、まさに『人間力』がキーになっていると思います。そして、『人』を大切にすることが業績を伸ばすことにつながるのであり、その中で健康経営は必要不可欠なピースであると考えています。
東京建物 経営企画部 明壁 佳久
当社の企業風土として「風通しの良さ」がよく挙げられますが、業容が拡大する中でもこうした企業風土を保っていくためには、様々な仕掛けが必要だと考えています。今後も社内コミュニケーションの活性化施策を通じて、チームとしての結束力を高め、企業としてのパフォーマンス向上に繋げていきたいと考えています。