マテリアリティ/KPI・目標 Materiality / KPIs and Targets
マテリアリティ
当社グループは2019年に、国際的な課題(SDGs)および国内または業界特有の課題を考慮して抽出した社会課題に対し、社会ニーズの大きさ、事業との親和性の観点で重要度を評価し、マテリアリティを特定しました。
その後、コロナウィルス感染症のパンデミックが発生するなど、社会情勢や人々の価値観が大きく変化するなか、策定したグループ長期ビジョンの達成に向けて、2020年よりマテリアリティの再特定に着手しました。グループ長期ビジョンに掲げる「社会課題の解決」と「企業としての成長」をより高い次元で実現していくにあたり、事業を通じて実現すべき社会との共有価値を意識し、「社会価値創出」と「価値創造基盤」の観点から14のマテリアリティ(重要課題)を特定しました。
現在のマテリアリティの特定プロセス

当社グループは、事業を通じてマテリアリティの解決に取り組み、社会に与える正の影響(機会)を最大化させるとともに、負の影響(リスク)の最小化を図ることで、企業としての成長とともに、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
東京建物グループのマテリアリティ
重要課題 |
社会との共有価値 |
SDGsへの貢献 |
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社会価値創出 |
国際都市東京の競争力強化 |
「場の価値」と「体験価値」の創出 |
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安全・安心な社会への貢献 |
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コミュニティの形成・活性化 |
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ウェルビーイング |
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顧客・社会の多様なニーズの実現 |
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価値共創とイノベーション |
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テクノロジーの社会実装 |
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不動産ストックの再生・活用 |
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脱炭素社会の推進 |
地球環境との共生 |
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循環型社会の推進 |
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価値創造基盤 |
従業員の成長と働きがいの向上 |
価値を創造する人材 |
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ダイバーシティ&インクルージョン |
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ガバナンスの高度化 |
サステナビリティ経営の実現 |
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リスクマネジメントの強化 |
マテリアリティに基づくKPI・目標
当社グループは、サステナビリティ推進がステークホルダーにとっての中長期的な利益の最大化に資するものと考え、環境・社会関連のマテリアリティに基づき、KPI・目標を設定しています。
環境関連では、マテリアリティ「脱炭素社会の推進」に基づき、「2050年度までに、CO2排出量ネットゼロ」と「2030年度までに、2019年度対比Scope1・2のCO2排出量46.2%削減、Scope3のCO2排出量40%削減」を掲げており、2030年度の目標については、世界の平均気温の上昇を産業革命前と比較して1.5℃に抑える水準の目標としてSBT認定を取得しています。また、温室効果ガス排出削減の中長期目標を達成するためのプロセス目標として、「ZEB・ZEHの開発推進」、「再生可能エネルギーの導入」、「グリーンビルディング認証の取得」に関する目標を設定し、推進しています。また、マテリアリティ「循環型社会の推進」に基づく目標を設定しており、各目標達成に向けては、アクションプランを各事業本部または事業部の事業計画に盛り込む運用としています。
社会関連では、マテリアリティ「従業員の成長と働きがいの向上」「ダイバーシティ&インクルージョン」に基づく目標を設定しています。
これらの目標については、サステナビリティ委員会において、進捗状況の把握やモニタリングを行うことで、PDCAサイクルを構築しています。
また、取締役会は、目標の進捗状況についてモニタリング等を行い、監督します。
マテリアリティに基づくKPI・目標一覧
環境関連
項目 | 対象範囲 | KPI・目標 | 実績 | 詳細 サステナビリティ レポート2025 |
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2022 | 2023 | 2024 | |||||
脱炭素社会の推進 |
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温室効果ガス排出の削減 | 全事業※1 | 【Scope1・2・3】 2050年度までに、 CO2排出量ネットゼロ |
CO2 排出量 [単位:t-CO2] |
1,015,172 | 984,407 | 1,406,137 | P.30 |
【Scope1・2】 2030年度までに、 2019年度対比CO2排出量 46.2%削減※3 |
CO2 排出量 [単位:t-CO2] |
72,213 | 44,283 | 43,450 | |||
2019年度 対比削減率 [単位:%] |
15.9 | 48.4 | 49.4 | ||||
【Scope3※2】 2030年度までに、 2019年度対比CO2排出量 40%削減※3 |
CO2 排出量 [単位:t-CO2] |
596,335 | 621,989 | 831,460 | |||
2019年度 対比削減率 [単位:%] |
1.8 | -2.4 | -36.9 | ||||
ZEB・ZEH※4の開発推進 | ビル事業 | 原則として、新築するすべての オフィスビル、物流施設※5において ZEBを開発 |
ZEB 開発率 [単位:%] |
- (対象無し) |
- (対象無し) |
- (対象無し) |
P.31 |
住宅事業 | 原則として、新築するすべての 分譲マンション、賃貸マンション※6において ZEHを開発 |
ZEH 開発率 [単位:%] |
- (対象無し) |
100.0 (対象1物件) |
100.0 (対象8物件) |
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再生可能エネルギーの導入 | 全事業※1 | 2050年度までに、事業活動で消費する電力の 再生可能エネルギー化100% |
再生可能 エネルギー 導入率 [単位:%] |
11.2 | 31.1 | 43.0 | P.30 |
ビル事業 | 2030年度までに、保有する不動産で消費する電力の 再生可能エネルギー化100% |
再生可能 エネルギー 導入率 [単位:%] |
16.3※7 | 42.1※7 | 54.5 | ||
2024年度までに、保有する不動産で消費する電力の 再生可能エネルギー化50%以上 |
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グリーンビルディング認証※8 の取得 |
ビル事業 住宅事業 |
原則として、新築するすべての オフィスビル、物流施設、賃貸マンション※9において グリーンビルディング認証を取得 |
グリーン ビルディング 認証取得率 [単位:%] |
- (対象無し) |
- (対象無し) |
- (対象無し) |
P.45 |
循環型社会の推進 |
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廃棄物の 排出量削減 |
長期保有ビル※10 | 2030年度までに、2019年度比廃棄物の 排出量原単位20%削減※11 |
廃棄物 排出量 原単位※13 [単位:t/千m2] |
5.3 | 5.3 | 5.3 | P.42 |
2019年度 対比削減率※12 [単位:%] |
28.4 | 28.4 | 28.4 | ||||
廃棄物の リサイクル推進 |
長期保有ビル※10 | 2030年度までに、廃棄物の 再利用率90%を実現 |
廃棄物 再利用率※12 [単位:%] |
60.9 | 58.4 | 60.8 | P.42 |
水使用量の 削減 |
長期保有ビル※13 | 水使用量原単位を前年度より低減※14 | 水使用量 原単位 (前年度 との差) [単位:m3/m2] |
0.76 (0.08) |
0.79 (0.03※7) |
0.84 (0.05) |
P.40 |
再生水の 利用促進 |
延床面積 30,000m2超のオフィスビル |
2030年度までに、原則として 延床面積30,000m2を超えるすべての 新築オフィスビルに中水※15処理設備を導入 |
中水設備 導入率 [単位:%] |
- (対象無し) |
- (対象無し) |
- (対象無し) |
P.41 |
脱炭素社会の推進/循環型社会の推進 |
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木材の 利用促進 |
長期保有ビル、分譲・賃貸マンション | 2030年度までに、すべての 新築オフィスビル・分譲マンション・賃貸マンションの 共用部の内装・家具等に国産材・認証材を使用 |
国産材・ 認証材 使用率 [単位:%] |
13.0※7 (対象23物件) |
7.1※7 (対象14物件) |
23.8 (対象21物件) |
P.33 |
分譲・賃貸マンション | 2026年度までに、主要構造部に 木材を採用した分譲マンションまたは 賃貸マンションを開発※16 |
- | 開発物件 無し |
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お客様との 連携・共創 |
長期保有ビル | テナント様とのサステナビリティに関する コミュニケーションを年4回以上実施 |
- | 達成 | 達成 | 達成 |
P.34 P.42 |
分譲・賃貸 マンション |
入居者様とのコミュニケーションを行い、 サステナビリティに関する施策を立案・推進 |
- | 達成 | 達成 | 達成 |
-
東京建物グループが対象。
-
Scope3カテゴリー11・13が対象。
-
2019年度のScope1・2は85,870t-CO2、Scope3(カテゴリー11・13)は607,511t-CO2。
-
『ZEB』『ZEH(-M)』のほか、Nearly ZEB、ZEB Ready、ZEB Oriented、Nearly ZEH (-M)、ZEH(-M)Ready、ZEH(-M)Orientedを含む。
-
2023年1月以降設計に着手した新築物件が対象。共同事業物件や特殊用途など一部を除く。
-
2021年6月以降設計に着手した新築物件が対象。共同事業物件や特殊用途など一部を除く。
-
精査の結果、数値を修正。
-
主にDBJ Green Building認証、CASBEE建築およびBELSなどの認証を指すが、これらに限らない。
-
2023年1月以降設計に着手した新築物件が対象。共同事業物件や特殊用途など一部を除く。
-
当社が実質的にエネルギー管理権原を有し、かつ、廃棄物の再利用・減量に係る計画書を提出している主な長期保有ビル・商業施設が対象。
-
2019年度の廃棄物排出量原単位は7.4t/千m2。延床面積(千m2)あたりの原単位。
-
2024年度より集計期間を1~12月に変更(2023年度までは4~翌3月)。
-
当社が実質的にエネルギー管理権原を有している主な長期保有ビル・商業施設が対象。
-
持分床面積(m2)あたりの原単位。
-
雨水やビルで発生する雑排水(冷却塔やテナント様の厨房からの排水など)を原水とする再生水。トイレの洗浄水や植栽散水などの非飲料用途で再利用する。
-
本KPI・目標は、2024年に新設。
社会関連
項目 | 対象範囲 | KPI・目標 | 実績 | 詳細 サステナビリティ レポート2025 |
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2022 | 2023 | 2024 | |||||
従業員の成長と働きがいの向上 |
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能力開発の 推進 |
東京建物 | 社員一人当たりの平均研修時間 毎年度15時間以上 |
[単位:時間] | 15.8 | 15.2 | 16.0 | P.70 |
東京建物 | キャリア研修受講率 毎年度100% |
[単位:%] | 100 | 100 | 100 | ||
健康経営の 推進 |
東京建物 | 健康診断受診率※1 毎年度100% | [単位:%] | 100 | 100 | 100 | P.73 |
再検査受診率※1 毎年度100% | [単位:%] | 98.0 | 81.5 | 97.5 | |||
東京建物 | 喫煙率※2 毎年度12%以下 | [単位:%] | 12.1 | 13.1 | 13.1 | ||
東京建物 | 適正体重維持者率※1 2028年度までに75%以上 | [単位:%] | 72.0 | 72.9 | 74.6 | ||
ダイバーシティ&インクルージョン |
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人権の尊重 | 東京建物 グループ |
人権方針の周知 グループ各社への展開・遵守 |
- | 実施 | 実施 | 実施 | P.50 |
ワークライフ バランス |
東京建物 | 平均年次有給休暇取得率 毎年度70%以上 |
[単位:%] | 67.8 | 72.2 | 68.0 | P.77 |
東京建物 | 男性の育児休業取得率※1 2025年度までに30%以上 |
[単位:%] | 50.0 | 78.1 | 84.2 | P.78 | |
多様な人材の 活躍推進 |
東京建物 | 女性管理職比率 2030年度までに10%以上 |
[単位:%] | 7.2 | 9.4 | 12.1 | P.79 |
東京建物 | 障がい者雇用率※3 毎年度法定雇用率以上 ※2024年3月までは2.3%以上、 2024年4月から2026年6月までは2.5%以上、 2026年7月以降は2.7%以上 |
[単位:%] | 2.33 | 2.53 | 2.90 |
-
各年4月~翌年3月で集計。
-
各年4月~翌年3月の特定時点。
-
各年6月1日時点。
ステークホルダー・
エンゲージメント
当社グループの事業活動は、商品やサービスをご利用いただいているお客様だけでなく、地域社会、役職員、株主・投資家、取引先など、多くのステークホルダーに支えられています。当社グループは、これらのステークホルダーとの長期的な信頼関係の構築が経営や事業活動において不可欠であると考え、対話を通じていただいたステークホルダーの意見や期待などの声を様々な形で経営や事業活動に取り入れています。様々なステークホルダーからの継続的な信頼を事業に活かしていくことを通じて、社会価値創出と価値創造基盤の確立に取り組んでいきます。なお、各ステークホルダーとの対話が効果的なものとなるよう、対話の手法等については、必要に応じて見直しを実施していきます。
東京建物グループの
主なステークホルダーと
対話の考え方・対話の手法
ステークホルダー | 対話の考え方 | 対話の手法 |
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お客様 ビルのテナント様、 住宅のご購入者様、 各種サービスの ご利用者様等 |
安全・安心で価値のある商品・サービスの 提供およびお客様満足度の向上に 継続的に取り組むため、 お客様の声を事業活動に反映する 様々な仕組みを導入しています。 |
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地域社会 物件の立地する地域の コミュニティ、行政、NGO・NPO、教育機関等 |
まちづくりや様々なコミュニティ活動等を通じて、 地域の価値向上に取り組み、 地域社会へ貢献していきます。 |
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役職員 当社グループで働く すべての従業員等 |
成長を実感できる働きがいのある 職場の実現に取り組むとともに、 信頼される人材・未来を切り開く 人材の育成に努めています。 |
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株主・投資家 当社グループの事業を支える 資本の提供者や議決権行使を 通じた経営の参画者等 |
誠実かつ公正な情報開示と、 積極的なコミュニケーションにより、 株主や投資家の皆様との 長期的な信頼関係の構築および 適切な評価の獲得を目指しています。 |
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取引先 物件の企画・開発・管理や サービス提供にかかわる 事業者等 |
より良いパートナーシップの実現に向け、 取引先の皆様と公正・公平な取引を行うとともに、 緊密なコミュニケーションの実現に努めています。 |
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