環境マネジメント
関連するマテリアリティ
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安全・安心な社会への貢献
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ウェルビーイング
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顧客・社会の多様なニーズの実現
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テクノロジーの社会実装
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脱炭素社会の推進
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循環型社会の推進
方針・考え方
当社グループは、「グループ環境方針」のもと、環境に配慮した事業活動を通じて、持続可能な社会の実現に貢献します。また、環境に関するマテリアリティとして「脱炭素社会の推進」と「循環型社会の推進」を特定し、事業を通じてこの課題解決に取り組むことで、社会との共有価値である「地球環境との共生」の実現を目指しています。
グループ環境方針 2011年1月制定
私たちは、以下のグループ環境方針のもと、環境に配慮した事業活動を通じて、持続可能な社会の発展に貢献します。
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緑あふれる潤いのある街・暮らしの創造
緑のもっている力を最大限に活かし、生物多様性にも配慮しつつ、地球にとっても人にとっても、ゆたかで快適な環境を創出します。
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地域をリードする温暖化防止
環境に配慮した技術や発想を積極的に商品・サービスに取り入れ、地域をリードする低炭素型の街づくりに取り組みます。
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地球にやさしい省資源活動
あらゆる機会を通じて省資源活動や環境負荷の低減に努め、循環型社会の形成に寄与します。
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環境意識の高い社員づくり
環境に関する法令等を遵守するとともに、環境についての教育・啓発を行い、社員の環境意識の向上を図ります。
環境マネジメント体制
当社グループは、当社社長を委員長とするサステナビリティ委員会およびその下部組織としてのサステナビリティ推進協議会のもと、環境関連施策をグループ全体で横断的に推進しています。
また当社では事業ごとに、その特性に合わせた環境マネジメント体制を構築しています。当該体制のもとで、PDCAサイクルを構築し、環境施策の立案、情報共有、取り組み推進の支援、指導、進捗管理および取り組み改善等を実施しています。
取り組み・実績
脱炭素社会の推進
関連するマテリアリティ
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顧客・社会の多様なニーズの実現
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テクノロジーの社会実装
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脱炭素社会の推進
方針・考え方
脱炭素社会の実現はグローバルでの解決が求められる社会課題であり、不動産業界としても、保有不動産や事業活動由来の温室効果ガス(GHG)排出削減が求められています。当社グループでは、GHGの排出が引き起こす風水害などの自然災害の激甚化は、当社グループの保有資産に大きく影響を及ぼす可能性があると考えており、その観点からも優先的に取り組むべき課題だと認識しています。
当社グループでは、「グループ環境方針」において「地域をリードする温暖化防止」を掲げています。また、マテリアリティの一つとして「脱炭素社会の推進」を特定するとともに、この課題解決に事業を通じて取り組むため、脱炭素社会の推進に関するKPI・目標を設定、GHG排出削減に向けた取り組み等を加速しています。
2023年10月には、GHG排出削減に関する2030年度までの目標を「1.5℃水準」に引き上げました。それらを前提として、2050年度に向けた当社グループにおけるGHG排出削減に関するロードマップ(取り組み計画)を策定しています。
TCFD提言に基づく情報開示
ガバナンス
当社グループでは、気候変動をはじめとするサステナビリティに関する推進体制として、当社社長を委員長とするサステナビリティ委員会を設置し、下部組織としてサステナビリティ推進協議会を設置しています。
サステナビリティ委員会は、グループ経営会議、リスクマネジメント委員会、内部統制委員会と並ぶ当社社長直轄の会議体と位置付け、原則として年2回以上開催し、当社グループのサステナビリティに関する方針の策定、体制の整備、指標や目標の設定、進捗状況のモニタリングや評価に関する事項等について審議および協議しています。サステナビリティ委員会では気候変動に関して、リスクと機会の特定やGHG排出削減目標と対応方針、その取り組み状況等の重要事項について、審議および協議しています。サステナビリティ委員会での審議および協議事項のうち重要な事項は取締役会に付議または報告され、取締役会は、サステナビリティに関する重要な事項の決定、推進状況のモニタリング等を行い、監督しています。また、委員会の下部組織であるサステナビリティ推進協議会は、横断的な組織として、コーポレート部門や事業部門で構成され、委員会での決定事項の共有や検討事項の事前協議、当社グループのサステナビリティ施策の共有・検討、サステナビリティ推進に関する進捗状況の報告・協議等を行っています。
戦略(シナリオ分析)
当社グループは、気候変動に関するリスクおよび機会の特定、重要度の評価、ならびに当社グループの事業利益に与える影響について、設定したシナリオを用いてシナリオ分析しています。
シナリオの設定
シナリオ分析にあたり、将来の世界観(シナリオ)の設定をしています。国際気候変動に関する政府間パネル(IPCC※1)や国際エネルギー機関(IEA※2)が発表したシナリオを用いて、現行シナリオとして2100年時点で 産業革命以前の水準と比べて平均気温が4℃以上上昇する「4℃シナリオ」、移行シナリオとして平均気温の上昇を2℃未満に抑える「2℃シナリオ」、さらに1.5℃に抑える「1.5℃シナリオ」を設定しています。
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IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change):国連気候変動に関する政府間パネル。気候変動の状態とそれが経済社会に及ぼす影響について明確な科学的見解を提供する機関。
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IEA(International Energy Agency):国際エネルギー機関。エネルギーセキュリティやエネルギーに関する政策協力を行うためのOECDの枠内における自律的な機関。
設定したシナリオ
シナリオ | シナリオ分析 | 参照シナリオ |
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4℃シナリオ | GHGの排出量削減規制等の厳しい政策導入や規制の強化、企業の効果的な気候変動対応など何ら実施されず、結果、産業革命前に比べて、平均気温が4℃程度上昇するシナリオ。急性的には、異常気象の頻発、大雨等が激甚化するなどが想定され、慢性的には海水面の上昇などが考えられる。 | 参照元シナリオ:IPCC SSP5-8.5 (RCP 8.5) IEA STEPS |
シナリオ | シナリオ分析 | 参照シナリオ |
---|---|---|
1.5℃ / 2℃シナリオ |
気候変動問題への対応をして、GHG排出量を抑制するために、炭素税の導入や排出量を規制する政策が強化され、企業の気候変動対応を強く求められる世界で、低炭素技術の向上や再生可能エネルギーの拡大、省エネルギーの促進がなされ、産業革命前に比べて、平均気温が1.5℃/2℃未満に抑えられるシナリオ。 | 参照元シナリオ:IPCC SSP1-1.9 (RCP 2.6) IEA NZE IEA SDS |
リスク・機会の特定 / 重要度評価
当社グループの財務に与える影響の大きさを考慮し、主力事業であるビル事業と住宅事業を対象として、建物を開発・保有するエリアや、開発、運営・管理、販売・売却の各事業フェーズの実態を踏まえ、それぞれで想定される気候変動に関するリスク・機会を特定したうえで、影響度と発生可能性から重要度評価を行っています。なお、影響を受ける期間を、短期(1~5年)、中期(5~10年)、長期(10年超)に分けて整理しています。
特定した気候変動リスク・機会および重要度
分類 | 項目 | 当社グループ事業への影響 | 影響期間 | 重要度 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
4℃シナリオ | 1.5℃/2℃ シナリオ |
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移行リスク |
政策 |
カーボンプライシングの導入 |
自社排出(Scope1、2)に係る炭素税の賦課 |
中期 |
ー |
中 |
建材、工事費等の値上げ |
中期 |
ー |
中 |
|||
法規制 |
GHG排出基準や省エネ基準の強化 |
新築建物のZEB・ZEH化コスト増加 |
中期 |
低 |
低 |
|
脱炭素建材導入コスト増加 |
中期 |
中 |
中 |
|||
既存建物の省エネ化改修コスト増加 |
中期 |
低 |
低 |
|||
技術・市場 |
系統電力単価の上昇 |
エネルギーミックスの変化に伴う光熱費の増加 |
短~中期 |
ー |
低 |
|
化石燃料の需要増加に伴う光熱費の増加 |
短~中期 |
低 |
ー |
|||
再生可能エネルギー調達による負担 |
再生可能エネルギー調達コストの増加 |
短~中期 |
低 |
低 |
||
評判 |
災害対応やレジリエンスへの対応 |
災害対応やレジリエンス対策コストの増加 |
短期 |
低 |
低 |
|
物理リスク |
急性 |
温帯・熱帯低気圧等に起因する異常気象の頻発・激甚化 |
サプライチェーンの麻痺・寸断による工事遅延でのコスト増加 |
短期 |
ー |
ー |
熱波・高気温の頻発等による建設現場の作業効率低下への対策、工事遅延でのコスト増加 |
短期 |
ー |
ー |
|||
大雨や河川氾濫による浸水時の賃貸収入減少 |
短期 |
低 |
低 |
|||
風水害による建物損傷に伴う復旧コスト増加 |
短期 |
低 |
低 |
|||
保険料の値上げ |
短期 |
低 |
低 |
|||
慢性 |
平均気温の上昇 |
光熱費の増加 |
短期 |
低 |
低 |
|
機会 |
技術 |
ZEB・ZEH開発に伴う効率化 |
光熱費の削減 |
短期 |
低 |
低 |
自己託送による再エネ調達 |
光熱費や再エネ調達コストの削減 |
短期 |
低 |
低 |
||
消費者行動 |
環境性能の高い物件の収益向上 |
ZEB・ZEHの評価向上による売上増加 |
短~中期 |
ー |
中 |
|
省エネ効果の向上 |
省エネ効果の賃料への上乗せ |
短~中期 |
ー |
低 |
||
市場 |
ESGファイナンスの拡大 |
資金調達コストの削減 |
短期 |
ー |
低 |
事業インパクトの試算
特定した気候変動リスクと機会が当社グループの2030年度の財務に与える影響を定量的に評価しています。なお、定量的なデータが入手困難なリスク・機会については、定性的な分析を実施しています。
対応策
当社グループは、マテリアリティの一つとして「脱炭素社会の推進」を特定し、事業を通じて気候変動リスクの最小化に努めるとともに、機会としても捉え、課題解決に取り組んでいます。「脱炭素社会の推進」に関しては、GHG排出削減の中長期目標を設定し、その達成に向けて、ZEB・ZEHや、グリーンビルディングの開発推進、再生可能エネルギーの導入等を行うとともに、気候変動に伴い多発する風水害等の自然災害に強いレジリエンスを意識したまちづくりや不動産の開発にも力を入れています。具体的な対応策についてはGHG排出削減の達成に向けた取り組みに記載しています。
当社グループ事業利益に与える影響
リスク管理
当社では、社長を委員長とするリスクマネジメント委員会を設置し、当社グループのリスク管理を統括する体制を構築しています。リスクマネジメント委員会は、リスクマネジメントに関する年次計画の策定、当社グループの経営上重要なリスク(対策優先リスク)の評価および分析、予防策ならびに対応策の策定を行い、対応状況について定期的にモニタリングしています。対策優先リスク以外のリスクについては、各部室店長や各会議体がリスク対応組織(リスクオーナー)として、その予防および管理を実施します。
サステナビリティに関するリスクについては、サステナビリティ委員会がリスク対応組織(リスクオーナー)として、関係する部室店と連携して予防および管理を行うとともに、その実施状況のうち重要な事項をリスクマネジメント委員会に報告することとしています。なお、リスクマネジメント委員会における審議事項のうち重要な事項は取締役会に付議または報告を行っており、サステナビリティに関するリスクを含む当社グループのリスクマネジメントの有効性を取締役会が監督しています。
指標と目標
当社グループは、マテリアリティの一つとして特定した「脱炭素社会の推進」に関する中長期目標を掲げています。GHG排出削減目標として、2021年に「2050年度ネットゼロ」を掲げ、Scope1・2およびScope3のCO2排出量について「2030年度に2019年度対比『40%削減』」を設定しました。
その後、COP26におけるグラスゴー合意など気候変動に関し企業に求められる社会的要請の高まりを受け、当社グループにおいても、2023年にScope1・2について、世界の平均気温の上昇を産業革命前と比較して1.5℃に抑える水準である「2030年度までにCO2排出量を2019年度対比『46.2%削減』」に引き上げ、取り組みを加速しています。
また、中長期目標を達成するためのプロセス目標として、「ZEB・ZEHの開発推進」「再生可能エネルギーの導入」「グリーンビルディング認証の取得」に関する目標を設定しています。2023年には、当社ビル事業における保有不動産の消費電力について、これまでの達成目標を20年前倒し、2030年度までに100%再生可能エネルギー化を目指しています(2024年度までに50%以上再生可能エネルギー化)。また、ZEB・ZEHの開発推進やグリーンビルディング認証の取得についても、新たに新築賃貸マンションを対象に加えるなど、目標を一部前倒し、強化しています。
項目 | 対象範囲 | KPI・目標 | |
---|---|---|---|
温室効果ガス排出の削減 | 全事業※1 | Scope1・2・3 | 2050年度までに、CO₂排出量ネットゼロ |
Scope1・2 | 2030年度までに、2019年度対比のCO₂排出量を46.2%削減 | ||
Scope3※2 | 2030年度までに、2019年度対比CO₂排出量を40%削減 | ||
ZEB・ZEH※3の開発推進 | ビル事業 | 原則として、新築するすべてのオフィスビル、物流施設※4においてZEBを開発 | |
住宅事業 | 原則として、新築するすべての分譲マンション、賃貸マンション※5においてZEHを開発 | ||
再生可能エネルギーの導入 | 全事業※1 | 2050年度までに、事業活動で消費する電力の再生可能エネルギー化100% | |
ビル事業 | 2030年度までに、保有する不動産で消費する電力の再生可能エネルギー化100% | ||
2024年度までに、保有する不動産で消費する電力の再生可能エネルギー化50%以上 | |||
グリーンビルディング認証※6の取得 | ビル事業、住宅事業 | 原則として、新築するすべてのオフィスビル、物流施設、賃貸マンション※7においてグリーンビルディング認証を取得 |
東京建物グループが対象。
Scope3カテゴリー11、13が対象。
『ZEB』『ZEH(-M)』のほか、NearlyZEB、ZEBReady、ZEBOriented、NearlyZEH(-M)、ZEH(-M)Ready、ZEH(-M)Orientedを含む。
2023年1月以降設計に着手した新築物件が対象。共同事業物件や特殊用途など一部を除く。
2021年6月以降設計に着手した新築物件が対象。共同事業物件や特殊用途など一部を除く。
主にDBJ Green Building認証、CASBEE建築およびBELSなどの認証を指すが、これらに限らない。
2023年1月以降設計に着手した新築物件が対象。共同事業物件や特殊用途など一部を除く。
CRREMによる移行リスク分析
分析概要
CRREM(Carbon Risk Real Estate Monitor)は、欧州、北米、日本を含むアジア太平洋地域の不動産の用途ごとに、パリ協定の2℃、1.5℃目標に整合する2050年までの温室効果ガス(GHG)排出パスウェイ(脱炭素経路)を算出・公表しており、また、分析対象建物のGHG排出経路とCRREMのパスウェイを比較することで、移行リスクの一部を可視化するツールを公表しています。当該ツールを用いたCRREM分析は、分析対象建物のGHG排出経路がCRREMのパスウェイを超過(座礁資産化)する時期や将来の炭素コストを算定し、これらに対処するために必要な改修規模を把握する等、運用改善への活用が期待できるものです。
当社では、パリ協定の1.5℃目標に整合する脱炭素社会への移行におけるリスクを分析するため、当社が長期保有する建物(2022年12月末時点、以下「当社のポートフォリオ」)を対象として、CRREM分析※を行いました。
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本分析ではCRREM v2.03を使用しています。なお、アジア太平洋版を基本とし、日本の実態にあわせて一部のパラメータ(系統電力の排出係数等)を調整しています。
CRREMの分析手法に従い、以下の2つのシナリオについて、当社のポートフォリオのGHG排出経路とCRREMの1.5℃目標に整合する2050年までのパスウェイとを比較しています。
シナリオ①は、当社のポートフォリオにおける省エネルギーの推進に向けた運用や高効率設備への更新、自家発電自家消費及び自己託送やコーポレートPPA等のいわゆる生グリーン電力の導入を考慮したケースです。
シナリオ②は、シナリオ①の取り組みに加え、「トラッキング付非化石証書」を活用した電力への切り替え及び非化石証書の購入等による再生可能エネルギーの導入を考慮したケースです。
なお当社グループでは、GHG排出削減の中長期目標を掲げるとともに、目標達成に向けてZEB・ZEHの開発推進、再生可能エネルギーの導入及びグリーンビルディング認証の取得を掲げ、脱炭素に向けて様々な取り組みをしています。従って上記シナリオのうち、当社の取り組みに近いシナリオ➁の分析結果について以下の通り考察しました。
分析概要
再生可能エネルギーの導入により電力由来のGHG排出は削減され、省エネルギーの推進に向けた運用や高効率設備への更新等により各種エネルギー由来のGHG排出は削減されますが、ガス等の燃料や地域冷暖房等の熱由来のGHG排出が一部残ることで、2040年になる前に当社のポートフォリオのGHG排出経路がCRREMのパスウェイを超過する見込みとなります。
但し本分析では、2022年度末時点の当社のポートフォリオを対象とし、将来にわたって資産の入れ替え等が無い想定となっていますが、実際には省エネルギー性能に優れた建物への建て替えや保有資産の入れ替え等により、当社が長期保有する建物のGHG排出は更に低減することが見込まれます。
分析結果を踏まえた戦略
当社グループでは、現在保有している建物について、省エネルギー推進に向けた運用や高効率設備への更新及び再生可能エネルギーの導入を継続して実施していくとともに、省エネルギー性能に優れた建物への建て替えや保有資産の入れ替え等を行っていきます。また、今後新規に開発する建物については、ZEB・ZEHやグリーンビルディングを開発するとともに、再生可能エネルギーの導入に取り組むことで、今後当社が長期保有する建物においてGHG排出の少ない建物の比率を向上させ、GHGの排出削減に取り組んでいきます。
取り組み・実績
自然災害対策
関連するマテリアリティ
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国際都市東京の競争力強化
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安全・安心な社会への貢献
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コミュニティの形成・活性化
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ウェルビーイング
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テクノロジーの社会実装
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脱炭素社会の推進
方針・考え方
巨大地震や台風等の自然災害は、安全・安心な暮らしを脅かす大きなリスクです。近年の気候変動の影響等により、甚大な被害をもたらす台風や異常気象が頻発するなか、暮らしの基盤である不動産の安全性に対する関心はこれまで以上に高まっています。
当社グループは、平常時より災害へのレジリエンス(強靭性)を高め、お客様を含むステークホルダーに安全・安心を提供することが重要な責務であると考えています。
当社グループは、マテリアリティの一つに「安全・安心な社会への貢献」を特定し、事業を通じて様々な取り組みを行っています。その一つとして、今後も自然災害への対策を一層強化していきます。
取り組み・実績
生物多様性
関連するマテリアリティ
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脱炭素社会の推進
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循環型社会の推進
方針・考え方
当社グループは、「グループ環境方針」に「緑あふれる潤いのある街・暮らしの創造」を掲げ、不動産開発と密接に関係している地域の生態系や自然環境に直接的または間接的に及ぼす影響を把握し、適切な配慮に努めています。緑が持つ力を最大限に活かし、開発計画に合わせた敷地内の樹木の移植、地域の在来植物の植生や生物分布の調査、植えるべき樹種の選定など、生物多様性に配慮した、豊かで快適な環境の創出に取り組んでいます。
当社ではビル事業と住宅事業において、それぞれ環境ガイドラインを策定しています。両ガイドラインでは、建物・敷地の緑化や緑化によるヒートアイランド現象の緩和、周辺の緑との連携も含んだ生物多様性や生態系の保全の実現、テナント様や入居者様および周辺エリアとの緑を通したコミュニケーションの実施などを取り組み方針として定めています。さらに一定規模の取り組みができる物件では、既存樹木等の保全と生態系保全に関するABINC認証※1やSEGES※2などの第三者認証を取得しています。
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般社団法人企業と生物多様性イニシアティブ(JBIB)が作成した「いきもの共生事業所Ⓡ推進ガイドライン」および「土地利用通信簿Ⓡ」を認証基準として、オフィスビルや集合住宅などの土地利用における生物多様性保全の取り組みを評価・認証する制度。
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緑地の社会・環境価値を「見える化」する、公益財団法人都市緑化機構による社会・環境貢献緑地評価システム。
取り組み・実績
水資源
関連するマテリアリティ
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安全・安心な社会への貢献
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循環型社会の推進
方針・考え方
世界的な水不足が深刻化しているなか、先進国を含む世界全体において効率的な水利用の継続的な改善が求められています。
当社グループでは、「グループ環境方針」において「地球にやさしい省資源活動」を掲げています。また、マテリアリティの一つとして「循環型社会の推進」を特定するとともに、この課題解決に事業を通じて取り組むため、水資源に関するKPI・目標を設定し、あらゆる機会を通じて節水や雨水・雑排水の再利用等の省資源活動や環境負荷の低減に努め、水資源の保全を図っています。
取り組み・実績
循環型社会の推進
関連するマテリアリティ
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安全・安心な社会への貢献
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脱炭素社会の推進
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循環型社会の推進
方針・考え方
廃棄物や有害物質による大気・土壌・水質などの汚染や自然資源の枯渇が社会共通の課題となっているなか、事業活動における廃棄物や有害物質の発生抑制および自然資源の有効活用が求められています。
当社グループでは、「グループ環境方針」において「地球にやさしい省資源活動」を掲げています。また、マテリアリティの一つに「循環型社会の推進」を特定するとともに、この課題解決に事業を通じて取り組むため、廃棄物に関するKPI・目標を設定し、事業を通じて環境負荷の低減に努め、循環型社会の形成に寄与しています。また、建物の開発においては、環境アセスメントやライフサイクルアセスメントを考慮した企画・設計・建築計画を策定し、運営管理においては、廃棄物の削減や有害物質の発生抑制と適正管理を行っています。
取り組み・実績
グリーンビルディングに関する外部評価・認証
関連するマテリアリティ
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国際都市東京の競争力強化
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顧客・社会の多様なニーズの実現
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不動産ストックの再生・活用
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脱炭素社会の推進
方針・考え方
当社グループは、環境負荷の低減や、利用者様の快適性・多様性に配慮した不動産を開発・運営すること、および当該不動産における性能や取り組みを対外的に開示することは、テナント様や投資家をはじめとするステークホルダーの皆様からの期待・要請に応えるうえで重要だと認識しています。
当社グループは、マテリアリティの一つとして「脱炭素社会の推進」を特定するとともに、この課題解決に事業を通じて取り組むため、ZEB・ZEHの開発推進や、グリーンビルディング認証の取得に関するKPI・目標を設定し、取り組んでいます。また、当社は新築に限らず、既存のオフィスビルや賃貸マンションについても、積極的にグリーンビルディングに関する外部評価・認証を取得しています。
取り組み・実績
サステナビリティファイナンス
関連するマテリアリティ
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国際都市東京の競争力強化
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安全・安心な社会への貢献
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コミュニティの形成・活性化
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顧客・社会の多様なニーズの実現
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価値共創とイノベーション
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脱炭素社会の推進
方針・考え方
サステナビリティファイナンスとは、気候変動などの環境問題や貧困・健康・経済格差等といった社会課題に対応し、より持続可能な社会に転換していくために、これらの課題解決に特化した資金を調達するための債券や借入を指します。
当社グループは、社会課題の解決に貢献するまちづくりを通じて、エリアの魅力向上と保有する資産ポートフォリオ全体の価値向上を図り、企業としての持続的な成長につなげることを目指しています。
調達資金を持続可能な社会の実現に向けたプロジェクトに充当するサイクルを加速し、事業を通じて「社会課題の解決」と「企業としての成長」をより高い次元で両立することで、脱炭素社会の推進と、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
サステナビリティファイナンスのフレームワーク
当社は、国際資本市場協会等が言及するグリーンボンド原則、ソーシャルボンド原則、グリーンローン原則およびソーシャルローン原則における4つの要素(調達資金の使途、プロジェクトの評価と選定プロセス、調達資金の管理、レポーティング)に適合する複数のファイナンス・フレームワークを策定し、資金調達を行っています。
資金使途
適格クライテリアを満たす環境改善効果のあるグリーンプロジェクトおよび社会課題の解決に資するソーシャルプロジェクトの取得・建設資金、または同資金のリファイナンスに充当します。
プロジェクトの評価・選定プロセス
財務部およびサステナビリティ推進部が、適格クライテリアを満たすプロジェクトを選定し、最終決定は当社社長もしくは財務担当役員(CFO)が行います。
調達資金の管理
調達資金の充当状況は、内部管理システムを用いて財務部にて追跡・管理し、追跡結果は四半期単位で財務部担当役員もしくは財務部長が確認します。調達資金が充当されるまでの間は、現金または現金同等物にて管理します。未充当資金が発生した場合には、適格クライテリアを満たすプロジェクトのなかから新たに選出することとし、再充当先が決定するまでの間は、現金または現金同等物で運用します。
レポーティング
調達資金が全額充当されるまでの間の資金充当状況、および環境改善効果・社会的便益について、年1回ウェブサイトにて開示します。