2025年06月27日

プロジェクト紹介

とどける人の力になる。物流ビジネスを支える環境配慮型物流施設「T-LOGI」

東京建物は、物流施設事業へ参入した2018年以降、30以上のプロジェクトを手掛け、全国各地で事業展開しています。環境配慮型の物流施設ブランド「T-LOGI」は、どのような価値をお客様に提供しているのか、事業展開の背景とブランドに込められた想いをご紹介します。

物流施設

物流施設事業へ参入、「T-LOGI」ブランド誕生

経済活動と消費者を支え、円滑なビジネスに必要不可欠な物の流れにおいて、近年役割を大きくしているのが物流施設です。生産地から集まった物品を仕分けて各方面へ送り出したり、様々な商品のラッピングやラベリングを行ったり、あるいはEC事業者が商品を消費者に向けて発送したりと、非常に多様かつ重要な機能を担っています。

2018年、東京建物は物流施設事業への参入を表明し、物流施設ブランド「T-LOGI」を立ち上げました。 第1号物件は、2020年6月に竣工した延床面積約70,000m2のマルチテナント型物流施設「T-LOGI久喜」(埼玉県久喜市)です。東北道と圏央道、2つの高速ICへの好アクセスと充実した設備が評価され、竣工前にほぼ満床となりました。
物流施設事業への参入以降、関東圏の物流集積地での事業用地取得を積極的に進め、「T-LOGI横浜青葉」(神奈川県横浜市)、「T-LOGI習志野」(千葉県習志野市)、「T-LOGI綾瀬」(神奈川県綾瀬市)等、次々と開発に着手していきました。2021年には、福岡県・京都府・愛知県でも事業用地を取得。全国各地での開発に踏み出し、手掛けたプロジェクトは累計30を超え、「T-LOGI」シリーズは順調に拡大を続けています。

東京建物が物流施設事業に参入した背景には、EC需要の急拡大、荷主・消費者ニーズの高度化・多様化による高頻度小口輸送の進展に加え、労働力の不足等、物流産業を巡る様々な社会動向がありました。物流の効率化・省人化も強く求められる中、先進的な物流施設を開発・提供し、物流ビジネスの発展と社会課題解決に貢献していくことは、総合デベロッパーとしてのミッションの一つであると捉えています。
「T-LOGI」のコンセプトには、こうした東京建物の想いを込め、「とどける人の力になる。」を掲げています。物流施設は、テナント企業のビジネスの根幹として機能します。その空間を使いやすく働きやすく、ビジネスを支援する力を持たせることで、いかにして物流産業の高度化・生産性向上に寄与できるか。これが、「T-LOGI」の使命であると考えています。

「T-LOGI」の4つの約束

「とどける人の力になる。」というコンセプトを具体化し、テナント企業のビジネスに貢献するために、T-LOGIは「4つの約束」を掲げています。

  • ①対話を重ねます。
  • ②利便性の高い立地を厳選します。
  • ③最適な施設をご提供します。
  • ④次世代の環境を見据えます。

「T-LOGI」ブランドは、「用地取得~企画・開発~リーシング~管理」まで一連の業務を同一部署が所管しているので、お客様の声を速やかに施設計画や用地取得にまで反映することが可能です。実際、お客様のご要望に応じたカスタマイズをした上で竣工し、利用いただいている施設が多いのも「T-LOGI」の特徴であり、目指す姿でもあります。
また物流施設は、テナント企業のビジネスにとって適切な立地かつ目的に合致する施設であることも必須事項です。荷物の仕分けや積み替えを主とし荷物の出入りが多い「通過型」、在庫保管がメインで荷物の出入りが少ない「保管型」、また、その中でもEC事業者が商品の保管、注文処理、梱包、発送、クレーム・返品対応まで行う「フルフィルメントセンター」、一部商品の加工等も実施するような「プロセスセンター」などがあるため、立地特性を見極め、そこに物流施設を必要としているお客様がどのような事業を行いたいのかを見極めて、適切な設備を備えた施設を開発することが大切です。敷地の出入口、車両動線、倉庫におけるフォークリフト動線にも配慮した平面計画など、基本的なテナント企業のオペレーション効率化に資する内容はもちろん、保管荷物や運用の変更などが生じた場合に、追加で必要となる電気容量や設備置場をあらかじめ確保しておくなど、将来的に発生しうるニーズに対して柔軟性をどう確保するかも考え抜いて、企画・設計に取り組んでいます。
さらに「T-LOGI」では、物流を支えているのは、そこで働く人々であると考え、休憩時間など快適にリフレッシュできるようなラウンジやトイレ、ドライバー休憩室を備えるなど、働きやすい共用空間の整備にも注力しています。これらは、住宅・オフィスだけでなく、ホテル・商業施設など、多様な人が集まる施設を長年手掛け、「人」に寄りそってきた東京建物だからこそ提供できる強みとなっています。

次世代を見据える「環境配慮型物流施設」

東京建物グループは「脱炭素社会の推進」に関する中長期目標を掲げており、2030年度までにCO2排出量を2019年度対比で46.2%削減することを目指しています。また中長期目標を達成するためのプロセス目標として、「ZEB・ZEHの開発推進」「再生可能エネルギーの導入」「グリーンビルディング認証の取得」に関する目標を設定しています。

「T-LOGI」では、他の建築物に比べて屋上面積が大きいという物流施設の特性を活かし、可能な限り大容量の太陽光パネルを設置・発電しています。施設内では高効率な設備導入による省エネルギーを実現しており、太陽光パネルで創出した電力を商用電力とあわせて自家消費するとともに、施設内で消費しきれない余剰電力については東京建物グループの施設などに送電し、余すことなく活用しています。この創エネ・省エネの両立と自家発電・自家消費の仕組みを活用することで、「T-LOGI」では原則すべての施設において、環境に配慮した施設の証である「BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)」※1の最高ランクである『ZEB』※2認証を取得しています(冷凍・冷蔵仕様など特殊用途施設を除く)。

  • ※1 
    新築・既存の建築物において、省エネ性能を第三者評価機関が評価し認定する制度。
  • ※2 
    「Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)」の略称で、快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建築物。ZEBは、省エネ・創エネの割合に応じて以下の4段階に定義される。
    ①『ZEB』(省エネ+創エネで100%以上削減)、②Nearly ZEB(同75%以上削減)、③ZEB Ready(省エネで50%以上削減)、④ZEB Oriented(延床面積10,000m2以上の建物で、事務所等は省エネで40%以上削減、ホテル等は省エネで30%以上削減)。

エネルギーの消費が大きい都心部では、高層ビルの集積により日影の相互干渉が生じやすく、太陽光パネルでのエネルギー創出が可能な空間が限られており、都心部のカーボンニュートラルにおける課題となっています。「T-LOGI」による余剰電力を送電・活用する取り組みは、都心のビル群に電力を直接融通することが可能であり、都心部における脱炭素化にも貢献しています。

5年後、10年後も、とどける人の力であり続ける

オフィス・商業施設などと比べると、物流施設はテナント企業による物件選定時の条件において、立地に関する許容範囲が広い傾向にあります。高速IC・主要道路へのアクセス、既存拠点との距離など一定の条件が確保できれば、詳細な立地性だけでなく、施設の仕様が自社のニーズを満たしているか、カスタマイズなどの融通が利くかという側面を重視されるケースが多く、ひいては施設を開発・提供するデベロッパーの実績や信頼性が物件選定に大きく影響します。さらに物流施設は同一のテナント企業が各地に複数の拠点を構えるため、信頼関係を築くことが次も選ばれることにつながります。対話を繰り返すことでニーズや想いを把握し、寄り添いながら最適な施設を提案することでテナント企業の課題解決をお手伝いし、その積み重ねが信頼を生み、長期的に良好な関係性を築くことができるのだと考えます。

物流産業は社会情勢の影響を受けやすく、お客様が抱える課題も日々変化していきます。5年後、10年後の日本の物流環境は、その姿を大きく変えているかもしれません。どのような環境下であっても、「T-LOGI」はお客様からの信頼を積み重ね、とどける人の力であり続けたいと考えています。

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