2015年12月01日

サステナビリティレポート 特集

座談会「Brillia」のこれからをつくる"製・販・管"の一体化に向けて

東京建物グループでは、「Brillia」を新築分譲住宅のブランドとしてだけでなく、「住まいと暮らしのトータルブランド」として位置づけ、2015年10月1日、住宅の「開発」「販売」機能の統合、さらには「管理」機能を含めた一体的な住宅サービス提供を目指した体制整備を行いました。

住宅不動産活用サステナビリティ

座談会概要

住宅事業の「製造(開発)」「販売」「管理」、それぞれに携わる従業員が集まり、製販管の一体化によってお客様にどんなブランド価値を提供できるか、これからの展望と課題を話し合いました。(2015年12月実施)

参加メンバー

東京建物株式会社
代表取締役 専務執行役員
住宅事業本部長

柴山 久雄

東京建物株式会社
販売受託部 部長

猪田 靖次販売

東京建物株式会社
住宅営業第一部 グループリーダー

熊谷 真由子販売

東京建物株式会社
住宅事業部 主任

門田 新平開発

東京建物株式会社
住宅事業企画部 課長

木村 淳一開発

東京建物株式会社
住宅事業企画部 課長

竹内 洋徳開発

株式会社東京建物アメニティサポート
企画部 グループリーダー

丸山 祐樹管理

製販管の一体化から2ケ月たった感想、良かった点

開発部門

販売部門

管理部門

木村

私たちは「製販管一体化」に向けた業務フローの見直しや意識改革などに取り組む委員会を1年程前から立ち上げ、本当に数多くの時間、議論を重ねてきました。まず一つ目の成果は、その議論を通じて人を知ることができたことです。今回、組織再編があったことで、そこで働く方がどんな方なのかを知り、改めて私たちに何ができるのかを話し合える土壌になりました。

熊谷

確かにわかっていたようでわかっていなかったお互いの仕事の中身や考え方の違いに気づかされることが多く、そこを自分で改めて考え直すことができた気がします。特に製販はお互い出向で行き来していたので、社風などもわかっていたつもりでしたが、やはり一緒にいると違いを感じます。その違いを理解できたことだけでも一つの大きなメリットだと思います。

門田

私は単純なことですが「物理的な距離間が縮まった」ということがいいと感じています。振り向けば話したい販売のチーフがいて、逆に販売のチーフも開発の担当者に想いや意見を伝えられる。電話ではなく、顔を合わせて会話ができるようになったことが、一番プラスになっていると思います。人と人との距離が縮まったことによって意思疎通が図りやすくなりました。お客様との距離も少しだけ縮まったように感じます。

丸山

管理会社である東京建物アメニティサポートは「製販管一体化」でオフィスが墨田区錦糸町から東京建物の本社がある中央区八重洲に移りました。それによって物理的に近くなり、意思疎通もしやすくなり、物件を管理する際の意識も変わってきたと思います。ただやはり、管理会社は製販とは別会社になるので、まだ少し心のハードルがありますが、今後、交流が盛んになることで、よりよい意思疎通が図っていければいいと思います。

猪田

これまでは「これは販売」「それは開発」というような縦割り意識がなかったとはいえません。「製販管一体化」によって、販売会社ではなくて開発事業者の立場でお客様と接するという意識をよりもたないといけない、ということで身が引き締まる思いです。

竹内

私は今、開発側にいて、販売側にも出向していたこともあるため、自分としては「お客様に近いところ」で仕事をしていたつもりではあったのですが、やはり開発側に長くいると、知らず知らずのうちに「役割」という名の業務区分を意識しすぎてしまい、お客様との距離が離れてしまっていた面があると感じました。「製販管一体化」を進めるうえで、私たちも積極的に物件の内覧会や引渡会などに参加するようになり、お客様を直接お見かけすることで「こういう方にご購入いただいているのか」という、お客様に近づけた感覚があります。

柴山

一体化に向けたこの1年、これほど従業員が個別のミーティングを開いて一生懸命話し合ったことは今までないですよね。ある意味、これが最大の成果ではないかと思います。これを一過性で終わらせないように、いろいろな形で続けていきたい。

確かに距離が近くなり、たくさんの顔が見えるようになりました。人がわかってくると、何かをするときに、その人のことを考えてよりよい仕事ができるのではないかと考えています。

また、お客様に接しているのは販売と管理です。開発は、本来は接していなければならないのですが物理的にいろいろな仕事の業務分担があるから、そこがどうしても分かれています。販売と管理が考えていることが開発にフィードバックされるというか、「わかってもらえる」このことが上手く繰り返されれば、必ずお客様の満足度は向上していくと期待しています。

東京建物株式会社
住宅事業部 主任

門田 新平開発

皆さんと一緒に物件を回って思いを伝え、それをお客様にも伝えていく。気持ちのいいコミュニケーションができるようにして、最終的にお客様の評価を得ていきたい。

東京建物株式会社
住宅事業企画部 課長

木村 淳一開発

お客様満足と持続的成長に必要な適正利益獲得の両立のために、失敗を恐れず新たなことへのチャレンジを続け、お客様にとっての感動価値を生み出し続けていきたい。

東京建物株式会社
住宅営業第一部 グループリーダー

熊谷 真由子販売

販売のみの立場から売主となり。より責任を持ってお客様に説明し、喜んでいただけるように、製・管の方ともっと情報交換をして仕事を考えていきます。

本当の「製販管一体化」に向けて必要なこと、課題

木村

一番感じていることは、それぞれの人は各々の仕事のなかでは最適な選択をしているのですが、製販管を通じたトータルとして東京建物グループの強みになっているかというと、まだメリハリやグループ間のシナジーが足りないと思います。全体最適のなかで何をやっていくのかを、今までのルールや既成概念に縛られることなく変えていくことが大事なのではないでしょうか。

門田

物理的な距離が縮まったことで、さらにもっと先、販・管を交えてBrilliaブランドのあるべき姿を語り合うとか、ワークショップをするとか、そういうことによって、もっと心理的な距離を縮める施策があればよいと思っています。

猪田

販売の現場としては「製販管一体化」でお客様の声を開発にフィードバックする仕組みをどのようにしてつくり、また仕組みをつくったからといってお客様が望む商品ができるのか、つまりお客様の声をどのように開発に生かしていけるのかということについてまだまだやれることはあります。これからその仕組みをつくる必要があります。

丸山

管理会社としては、まだ製販の気持ちをしっかり受け取って管理につなげられていないことが課題だと思っています。今、東京建物から当社に出向されている方がいて、非常に嬉しそうに物件の開発の際にこだわったいろいろな細かいところ、「この壁の材質は」とか「ここの設計は」とか語ってくれています。

これまで私が管理の窓口業務をしていたときは、そうした想いを受け取るよりも、どうしても引渡しにかかわる事務的なことに頭がいきがちでした。でも、本当にこのマンションを開発した人のあの嬉しそうな説明を聞くと、自分もそうした想いを大事にしないといけないと感じます。今後は、製販の物件に対する想い、こだわりを受け止めて管理をするという機会をさらに増やしていくことが重要だと思います。

竹内

「製販管一体化」を議論すること自体はいいことではあると思いますが、お客様からみたら実は「当たり前のこと」であるという意識をもたなければならないと思います。正にスタートに立った、ようやく土台ができたというくらいのことで、「一体化すること」がそれだけでお客様にメリットをもたらすわけではありませんので、ここから意識を上げてやっていくということを考えなければなりません。

また、お客様の満足を高めるだけでは会社としては不十分です。お客様の満足度を高めるのにかかる費用・手間のもとになる適正な収益を上げ、次のお客様満足につなげなければならない。「お客様の満足」と「適正な収益獲得」の両方をあきらめないこと、必ず両立はできるという前提で仕組みやサービスを考えていくのが企業として求められることだと思います。

柴山

私が期待しているのは「製販管」この3つが上手くまわるということです。開発から販売、販売から管理、管理から開発、お互いにそれぞれが次のことを皆で考えていけば、製販管が本当の意味で一体化して、「Brillia」は住まいと暮らしのトータルブランドとして素晴らしいものになると確信しています。

東京建物株式会社
販売受託部 部長

猪田 靖次販売

私たち販売が、製・管を繋げる重要な役割であることを強く感じました。Brilliaに住んでいることをお客様が自慢できるような商品を作り続けていきます。

東京建物株式会社
住宅事業企画部 課長

竹内 洋徳開発

製・販・管の交流が進むような投げかけ屋発信を積極的にしていきたい。また。意見を出し合う中でバランスが悪くならないよう、大局的に見て整えていきたいです。

株式会社東京建物アメニティサポート
企画部 グループリーダー

丸山 祐樹管理

私たちの管理が「Brilliaのサービス」として認知されるように、製販管の交流を深めてサービスレベルを上げ、グループに広めていきたいです。

「Brillia」というブランドの確立に向けてするべきこと

東京建物株式会社
代表取締役 専務執行役員
住宅事業本部長

柴山 久雄

従業員が気持ちよく仕事をしていれば、お客様も気持ちよくなっていただけると考えています。そういう組織環境を作ることを目指したい。

門田

毎年、住宅事業に携わる従業員へのBrilliaブランドに対する意識調査を行っています。そのアンケートの結果では、毎年、販売に携わっている営業部のブランド評価が非常に高くなります。今は部内だけでこの意識格差に関する研究をやっているのですが、製販管それぞれがいろいろな視点から「Brillia」について話すと、実はまだ見えていなかった部分も出てくるのではないでしょうか。それをプロモーションに生かしたりしてブランドを拡大して、ブランドに対してロイヤリティを上げていってどんどんポジティブなスパイラルがまわっていくような形になっていけばいいなと考えています。

熊谷

販売でBrilliaブランドへの評価がより高いのは、常に自分たちで「Brillia」の良いところを見つけて、お客様に「Brillia」を良いものとしておすすめしているからだと思います。

一方で、競合各社のマンションブランドと比較して「Brilliaってどんなブランド?」と聞かれたときに、良いところを並べただけでは本当の意味でブランドの差別化は図れていないと思います。今後は、Brilliaブランドへの評価の中身をもっと吟味して、「Brillia」の差別化を言語化して共有する必要があるのではないでしょうか。

猪田

私は、「Brillia」の特長としては「洗練と安心」の「安心」の部分がお客様に受け入れられていると感じています。たとえば、建築現場見学会※であれほどしっかりとお客様に説明しているものは他社にないですよね。 課題としては、お客様の「Brillia」に対する期待感を入居前はもちろん、入居後、半年、一年たっても幸せな気持ちとして保ち続けていただくことです。そのためには、住んでからの良かったこと、悪かったことを含めてスピーディーにグループで共有して対応・改善していくことが重要ですね。

  • 内装工事に着手する前の建築現場を見ることができる見学会。完成後には見られない工事の各段階をできるだけ見られるようにし、現場のスタッフがガイド役として、設計・施工に関する質問にお答えします。

柴山

ブランドの「Brillia」というのは、お客様にいいものを供給するためのツール、皆の気持ちを一つにできるツールだといえます。一つの「Brillia」というブランドのもとで製も販も管も自信をもってお客様に商品・サービスを提供する。たとえば、販売が商品よりも管理を売り文句にできるくらいに管理もブランドにしたい。そうした差別化が上手くできると、本当に「Brillia」というブランドがお客様にとって最高のブランドになるのではないかと考え、そこを目指したいと思います。

  • 本ページに記載の所属や役職及び掲載内容は取材当時のものです。

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