担当者インタビュー

ビルマネジメント第二部 中野営業所長
河田 光央
中野セントラルパークの運営管理および
エリアマネジメント活動全般を統括。

ビルマネジメント第二部 中野営業所 所長代理
三浦 拓実
各テナントとの交渉窓口および
エリアマネジメント活動を担当。
広大な空間を活用し、地元エリアの賑わいを創出
─どのような経緯で、この場所に中野セントラルパークは創られたのですか?
河田: 2001年に警察大学校が東京都府中市に移転したことから、跡地利用について検討が開始され、2005年に中野区が「賑わいの生まれる街づくり」を目指して、「中野駅周辺まちづくり計画」を策定し、それを受けて2007年に国から民間への土地処分が行われました。このあたりは、明治期には陸軍関係の施設があり、戦後は警察庁警察大学校として使用されるなど、中野駅前にありながら地元住民が中に入れない場所でした。当社を含むコンソーシアムが土地を取得した時点では、全体街区の中央に公園ができること、隣に教育機関や病院等ができることは決定しており、本来なら街区ごとにフェンス等で区切るのが一般的ですが、立地環境を活かし、フェンス等を作らず「中野四季の都市」エリアとして一体的に繋がる空間デザインにすべく、行政や周辺施設と協議を行い、中野セントラルパークの開発を進めてきました。土地取得以降、2012年に中野セントラルパークや中野四季の森公園が竣工、2013年・2014年には周辺大学等の施設も竣工し、オフィスワーカーと学生を合わせて人口が増えたことで、地域の新たな賑わい拠点となり、また、地元住民が日常的に楽しめる緑豊かで開放的な空間となりました。

(着工前)

(竣工後)
─オープン当初から、エリアマネジメントにも力を入れていますね。
三浦: 中野という土地柄、開発当初からオフィスワーカーだけでなく、地元の方にも受け入れていただきたい、という強い想いが当社としてありましたので、幅広い方に愛着を持っていただける場所になれるようにと、通常のビル運営業務だけでなく、エリアマネジメント活動にも注力しています。その一環として、2013年から「夏祭り」を毎年、継続して開催しています。これまでも周辺地域では町内ごとに小規模な催しがあったのですが、オフィスワーカーは勿論、中野駅周辺の地域の皆様に楽しんでいただけるイベントを実施したいと考えて始めたものです。今年は「この夏祭りのために浴衣を用意した」という親子連れのお客様もいらっしゃり、地域の皆様に浸透してきたという手応えを感じることができ、嬉しく思いました。また、2014年から実施しているビアパークも毎年地域の方で賑わい、オフィスワーカーの利用者も見られて大盛況です。
─こうしたイベントは、どなたが発案しているのでしょうか。
三浦: 当社担当者とパートナー企業で定期的に企画会議を行い、意見を出し合っています。本物件の竣工から7年間かけて試行錯誤を重ねながら、ようやく私たち自身にもイベント運営に関する経験が蓄積されてきました。
河田: だからこそ現在は、数あるイベントの中から、「オフィスワーカーや周辺地域の皆様にとって本当に意義のあるイベントを選んで実施していこう」という一歩進んだ段階になっていると感じています。従来通りのイベントを定例的に継続するだけでは評価し続けてはいただけないので、各イベントをどのような目的で行うのかを改めて明確にし、関係者とも活発に議論しながら最適なイベントを実施していくことが、中野セントラルパークのイメージ形成に重要であり、今後のエリアマネジメントの鍵だと思っています。
─具体的には、どのようなイベントを企画しているのでしょうか。
河田: 中野セントラルパークの認知度向上、そしてご入居されているオフィスワーカーや地元の皆様に本物件を誇りに思っていただけるきっかけ作り、という2つを目的としたイベントを打ち出していきたいと考えています。ここは、オフィスビルの前に広大な緑の空間が広がり、イベント等を行える物理的スペースも確保できます。そこにはオフィスワーカーだけでなく学生、近隣にお住まいの方々や小さなお子様など多種多様な方々が集う。そうした、この場所ならではの良さをもっと広く伝えたいのです。
三浦: 今年はご縁があって、これまで別の場所で開催していた地域の盆踊り大会を中野セントラルパークで開催することができました。DJによるディスコ音楽の披露も織り交ざった催しとなり、中野の土地らしく、サブカルチャーに寄った演出も集客に繋がったと感じています。また、オフィスも健康的な働き方や環境整備が求められる時代となったため、自社運営するカンファレンス施設を活用したオフィスワーカー向けのヘルスチェックイベントも実施し、また開催して欲しいとのお声を多くいただきました。こうしたイベントの積み重ねが、認知度アップや中野セントラルパークへ愛着を持つきっかけになっていってほしいですね。
河田: これだけの規模の建物が7年間かけて地域に受け入れられたということは、本当にありがたいことです。子どもの遊ぶ姿とオフィスワーカーとが共存する風景は他の場所ではなかなか見ることができないと思いますが、地元の皆様からも愛され、中野エリア一帯が賑わうことが、他地域の方々にも「中野セントラルパークに足を運びたい」「中野セントラルパークで働いてみたい」と思っていただくことにつながっていくと思っています。



高い防災意識で、災害に強いまちづくりを
─災害対策にも工夫されておられるのでしょうか。
河田:
もともと、この場所は武蔵野台地の強固な地層を支持地盤として建物を建設しているので、地震があった場合にも、液状化予測等においても最も安心なエリアとされています。
それに加え、サウス棟では制震構造、イースト棟では免震構造を採用し、更に非常用自家発電機、防災備蓄倉庫、防災井戸、マンホールトイレや災害時充電施設を設置する等、テナント向けに様々な防災対応を行っています。地域の住民の方に対しても、中野四季の都市エリアは広域避難場所として、周辺病院と協同して災害時の役割を担っています。
─消防訓練にも特徴があるそうですね。
三浦: 中野セントラルパークには、2棟のビル合計で約14,000人もの方が働いています。そのため、消防訓練では約3,000人が参加し、実際の震災を想定してオフィスフロアごとの分散避難を実施しています。こうした訓練の積み重ねや入居テナントと協働した取り組みが評価され、2016年に歩行困難者の非常用エレベーターによる避難認証を取得しました。本来は消防のみが利用できる設備ですが、大規模災害が発生した際、消防が到着するまで時間を要する場合には、当社やビルスタッフ、入居テナントが非常用エレベーターを活用してスピーディにお客様を避難誘導できる仕組みを構築することができました。竣工した後の物件での取得は非常に珍しいことであり、多くのオフィスワーカーにご入居いただいている施設の防災を考えるうえでは、とても重要な取り組みだと考えています。
河田: 実際、建物の防災性の高さを評価いただいて、ご入居をお決めいただいたテナントも多くいらっしゃいます。ビルへの期待の表れでもあるので、我々もその期待に応えるべく常に問題意識を持って取り組んでおり、最近では非常時に敷地内にあるカーシェアリングの電気自動車のバッテリーを活用する取り組みも実現しました。当社だけでなく、テナントと一体となって高い防災意識を継続することで、災害に強い安心・安全なまちづくりが実現できると考えています。


オフィスワーカーにもスタッフにも
「誇りに思える」場所へ
─さまざまな目標を実現していくために心がけていることは何でしょうか?
河田: もっとも重視しているのは、スタッフとの一体感です。ビル整備や防災センターの管理を行う東京不動産管理、ビル清掃を担当する東京ビルサービスのスタッフと一緒になってサービスを提供することが最も大切だと思っています。そういう意味も込めて、スタッフ全員が同じデザインのネームバッジを身に着けており、バッジを着けたら全員が中野セントラルパークの「顔」として、お客様へ対応する意識でいてほしいと思っています。
三浦: 中野営業所のメンバーとしてこのビルに常駐していますが、防災センター員や清掃スタッフがお客様と接する機会も多く、全員が同じ意識を持たなければ質の高いサービスはご提供できません。そのためにも、現場スタッフのチームワークづくりを何よりも優先しています。スタッフが一体となった上で、ご入居されているお客様と直接対話する機会を大切にしており、何かあれば相談し合える関係性を築くことが、我々が現地で運営に携わる意義だと考えています。IT化が進む時代ではありますが、足を運ぶことをいとわず、丁寧にコミュニケーションを重ねることにこだわり続けたいと思っています。
河田: ここは、当社のフラッグシップビルのひとつなので、先導的なことにチャレンジすることを求められています。そうした恵まれた環境を活かして、テナントにとってもスタッフにとっても「日本一のビル」と誇りを持ってもらえるようなことをご提案していきたいですね。ここでうまくいったことが当社の他のオフィスビルでも採用されるような、新たな取り組みにも挑戦していきたいです。



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