社長ごあいさつMessage from the President and CEO

社会にもお客様にも必要とされる企業グループを目指して

 東京建物は1896年(明治29年)に旧安田財閥の創始者・安田善次郎によって設立された日本で最も歴史ある総合不動産会社です。安田善次郎は不動産取引がまだ十分に整備されていない時代に、すべての人が安心して不動産取引ができるようにと考え、「お客様第一の精神」と「進取の精神」という理念をもって当社を設立しました。この精神は今も当社の事業活動の原点となっており、120余年を経過した今も時代を超えて脈々と受け継がれています。

 現在の日本経済に目を向けると、我が国はグローバルな都市間競争の激化、中長期的な人口減少や少子高齢化社会の進展、価値観の多様化など、さまざまな変化に直面しています。私たち東京建物グループは、そのような時代であるからこそ、お客様や社会の目線に立って真にお客様のためになること、そして社会が求めるものは何かと考えることこそすべてのスタートラインではないかと考え、2019年を最終年度とする5年間のグループ中期経営計画「次も選ばれる東京建物グループへ~革新的なグループシナジーで驚きの価値提供を~」のもと、事業活動に邁進してまいりました。

 当社は資産の多くを東京駅の周辺、特に駅東側の八重洲・日本橋・京橋エリアに保有しています。このエリアは国内最大規模の大手企業集積地であり、日本経済のエンジンとしての役割を担っていることから、このエリアの魅力・競争力を高めていくことが、当社の収益力の強化に寄与するとともに、都市としての東京ひいては日本の競争力そのものを高めていくものと考えています。当社の本社ビルが施行区域に含まれる「東京駅前八重洲一丁目東地区第一種市街地再開発事業」において、当社は地権者、事業協力者かつ特定業務代行者として本事業に参画していますが、そのうちB地区について、2019年1月、市街地再開発組合が設立されました。当社は組合の一員として、権利者の皆様とともに、町人街だった八重洲の歴史と文化を活かしつつ、圧倒的な交通利便性を誇る東京駅前にふさわしいグローバルな街づくりを推進するとともに、エリアマネジメントを通じてさらなるにぎわいを創出してまいります。

 また、この八重洲・日本橋・京橋エリアにおいて、コワーキングスペースやスタートアップ企業の支援施設を開設し、それらの企業の誘致や成長・挑戦の支援を行うとともに、大手企業との協業を促進しています。2018年12月に開設した環境を主軸とした持続可能な都市・社会づくりを行うためのオープンイノベーション拠点「City Lab TOKYO(シティラボ東京)」もこの取組みの一つです。当社はこれらの拠点を活用して、都市にかかる社会課題の解決を目指すとともに、大手企業とスタートアップ企業との協業や社会イノベーションを支援し、このエリアの魅力・競争力をさらに高めてまいります。

 2019年は、中期経営計画の最終年度となります。グループ一丸となって目標達成に向けて邁進するとともに、その先を見据えたさまざまな取組みを進めてまいります。ビル事業においては「Hareza 池袋」や「東京駅前八重洲一丁目東地区第一種市街地再開発事業」など将来の基幹物件となるプロジェクトの着実な推進や、都市型ホテルや物流施設など多様なアセットの開発を、住宅事業においては「Brillia(ブリリア)」ブランドのさらなる強化を図りつつ、価値観・ライフスタイルの変化を的確に捉えた商品・サービス提供に努め、さまざまな過ごし方・暮らし方を提供してまいります。また、アセットソリューションサービスの提供や、各種施設の運営に注力するなど、グループ全体でのシナジーの発揮や収益力の強化にも取り組んでまいります。このほか、働き方改革による生産性向上や女性活躍を推進するとともに、社会・経済の加速度的な変化に対応し、都市・環境に関する課題解決やICTを活用した新たな商品・サービスの創出に向けたオープンイノベーションへの取組みも引き続き展開してまいります。

 私たち東京建物グループは、事業のさまざまな局面において、お客様と社会が求める課題の解決に取り組んでまいります。それは国連SDGs(持続可能な開発目標)における17の目標の一つである「住み続けられるまちづくりを」をはじめとしたさまざまな目標の実現に寄与するものと考えています。企業理念である「信頼を未来へ」をグループ社員全員で体現することで、これからも多様なステークホルダーとの信頼関係の維持向上に努め、『社会にもお客様にも必要とされる企業グループ』として成長してまいります。引き続きご支援・ご指導のほどよろしくお願い申し上げます。

東京建物株式会社
代表取締役 社長執行役員

野村 均

野村 均