2025年度グッドデザイン賞 住宅、オフィスビル、ホテル、コミュニティづくりで計8件受賞
東名阪のBrillia、ヒルトン京都、アートゴールデン街など幅広い地域とカテゴリで選出
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東京建物株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役 社長執行役員 小澤 克人)は、2025年度グッドデザイン賞(公益財団法人日本デザイン振興会主催)において、「Brillia 深沢八丁目」「Brillia ist 池尻大橋」「Brillia 名駅二丁目」「Brillia Tower 箕面船場 TOP OF THE HILL」「HARUMI FLAG」「T-PLUS 日本橋小伝馬町」「ヒルトン京都」「アートゴールデン街」の計8件が受賞しましたので、お知らせします。

8件の受賞プロジェクトは、「中~大規模集合住宅」「オフィス・産業施設の建築・環境」「商業のための建築・環境」「コミュニティづくりの取り組み・活動」の4カテゴリにわたり、プロジェクト所在地・実施場所は東京だけでなく、大阪・京都・名古屋と幅広い地域にまたがる結果となりました。
東京建物は、2030年をターゲットにした長期ビジョン「次世代デベロッパーへ」を掲げ、「社会課題の解決」と「企業としての成長」のより高い次元での両立を目指しています。その実現のため、重点戦略として分譲マンションやオフィスビルに限らず、ホテルや賃貸マンション、物流施設等、幅広いアセットタイプへの積極投資による継続的な開発機会の獲得、機動的な売却による利益創出に取り組んでおります。また、「場の価値」「体験価値」を最大化することを目標とし、不動産開発にとどまらない、さまざまな事業活動を推進しています。
Brillia 深沢八丁目(カテゴリ13-01 中~大規模集合住宅)
※ 株式会社牛込昇建築設計事務所との共同受賞
かつての邸宅および幼稚園の記憶をアートに昇華し、建築計画と並行してアートのあり方をデザイン、地域の桜並木に調和する構造計画や日本最先端の環境性能に取り組んだ集合住宅です。地域×建物×アートがシームレスにこの地に融合・調和することで、住民がこの地の住みよい環境と自分らしい豊かさを感じられる住まいをデザインしました。本物件は、ZEH-M(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス・マンション)シリーズ最高ランクの『ZEH-M』基準に適合する物件としては日本で初めて竣工した大規模建築物です。


1. デザインのポイント
① 【低層住宅エリアにおけるファサードデザインの提案】分節構成のデザイン
② 【土地の記憶をアートに昇華】リユースによる記憶の継承とアートワーク
③ 【アートと建築の融合】住民動線にアートを配置することを想定した建物計画
2. 評価コメント(原文)
地域の歴史や景観に対するリスペクトが、さまざまな取り組みとなって現れ、デザインに結びついている。数々のアートワークは日常の生活動線沿い、それも内外にわたり配置され、多彩である。そしてなによりも桜並木の補完を意図した植樹は地域住民に直接的に関連するものとして重要である。この取り組みは、フリーライダーを避け、真の意味で地域社会に参画する姿勢を示している。
3. プロジェクト概要
所在地 : 東京都世田谷区深沢八丁目70番18(地番)
アクセス : 東急田園都市線「桜新町」駅徒歩9分
敷地面積 : 2,938.11㎡
延床面積 : 3,412.37㎡
構造・規模 : 鉄筋コンクリート造・地上3階建
総戸数 : 38戸
事業主 : 東京建物株式会社
設計 : 大末建設株式会社 一級建築士事務所
デザイン監修 : 株式会社牛込昇建築設計事務所
施工 : 大末建設株式会社
竣工 : 2024年12月26日
Brillia ist 池尻大橋(カテゴリ13-01 中~大規模集合住宅)
渋谷駅へ1駅3分と渋谷が生活圏内にあり、中目黒、代官山を暮らしの中に取り込むことができるエリアに位置する総戸数197戸の賃貸集合住宅です。「クリエイティブハウス」をデザインテーマに据え、都市居住者の多様超なライフスタイルへの適応を具現化しています。東京建物の賃貸マンション「Brillia ist」シリーズとしては初となる、楽器演奏やゲーム実況等が可能な防音住戸に加え、共用部のサウンドルームや屋上菜園を備えたルーフトップガーデンを整備しています。


1. デザインのポイント
① 丘の風景と共生する集合住宅デザインの提案
② 多様な居住者の暮らしへの順応
③ 生活現象の領域を都市居住者が定義づけするユニットの提案
2. 評価コメント(原文)
シンプルなグリッド状のフレームの中にも、ガラス面やバルコニー、僅かなフレームの凹凸といった「揺らぎ」がもたらされ、大変美しいファサードが創出されている。このニュートラルでありながらも均質化には陥らない佇まいは、周辺環境にも穏やかに溶け込むデザインとなっている。また住戸プランも、防音仕様や可変性に主眼を置いたタイプなど、多様な構成となっており、街が本来持っている魅力を十分に反映した計画となっている。共用部も、トレーニングジムやワーキングブースなど、実用的な用途が充実しており、大いに活用されて、住人同士を繋ぐ役割も果たすことだろう。実にバランス感覚の優れた設計である。
3. プロジェクト概要
所在地 : 東京都目黒区大橋二丁目17番5号
アクセス : 東急田園都市線「池尻大橋」駅徒歩4分
敷地面積 : 3,197.20㎡
延床面積 : 11,288.72㎡
構造・規模 : 鉄筋コンクリート造・地下1階地上7階建
総戸数 : 197戸(防音住戸9戸、うちゲーミングルームとして利用可能な住戸4戸)
事業主 : 東京建物株式会社、三信住建株式会社
設計・監理 : 大末建設株式会社
デザイン監修 : 株式会社三菱地所設計
施工 : 大末建設株式会社
竣工 : 2025年1月31日
Brillia 名駅二丁目(カテゴリ13-01 中~大規模集合住宅)
名古屋駅徒歩6分という立地に位置しながら、大通りから一歩奥まった閑静感性で落ち着いた住環境に位置する総戸数48戸の単身者向け集合住宅です。「都市の棲家」というコンセプトを設定し、外観は大都市に呼応するシャープでエッジの効いたデザインとし、内部は住空間としての洗練さと安心感を提供する計画としました。


1. デザインのポイント
① 「動」と「静」の二面性を持ち合わせた立地を生かした「都市の棲家」をコンセプトとするデザイン
② 地域の歴史的建築物の要素を工藝的なプロダクトデザインで共用部に展開
③ 単身居住者へのキッチン革命の提案
2. 評価コメント(原文)
世帯構成が多様化する中で、分譲集合住宅でありながら、都市における単身者居住に着目し、キッチンを中心に据えた住戸プランを提案したことは評価できる。奥行きのあるキッチンカウンターは、調理のみならず、ダイニングカウンターとして、ワークデスクとしてなど、さまざまな使い方の可能性がある。今後さらなるデザインの検討がなされ、単身世帯の生活の豊かさ向上に寄与するデザインとなることを期待している。
3. プロジェクト概要
所在地 : 愛知県名古屋市西区名駅二丁目2610(地番)
アクセス : 地下鉄東山線・桜通線「名古屋」駅(1出入口)徒歩6分
JR東海道本線・東海道新幹線・関西本線・中央本線「名古屋」駅(桜通口)徒歩9分
名古屋鉄道「名鉄名古屋」駅(中央口)徒歩12分
敷地面積 : 399.21㎡
建築面積 : 205.39㎡
延床面積 : 1945.55㎡
構造・規模 : 鉄筋コンクリート造地上13階建
総戸数 : 48戸
事業主 : 東京建物株式会社
設計 : 株式会社鍜治田工務店
デザイン監修 : 株式会社野生司環境設計 伊東俊之
施工 : 株式会社鍜治田工務店
竣工 : 2025年5月29日
Brillia Tower 箕面船場 TOP OF THE HILL(カテゴリ13-01 中~大規模集合住宅)
※ 住友商事株式会社、阪急阪神不動産株式会社との共同受賞
北大阪急行線が延伸され新設された新駅からペデストリアンデッキにて直結する総戸数397戸の集合住宅です。ペデストリアンデッキからは大学や図書館にアクセスでき、民間・公共・教育機関の融合を生み出します。基壇部は千里緑地との繋がりを生かし、高層部は現代的素材を用いることで新駅誕生を機に未来へと進化していく街を象徴するデザインとしました。


1. デザインのポイント
① 周辺の緑地との繋がり、温かみを感じられる基壇部と、現代的素材を用いた高層部デザインの融合
② 千里緑地とランドスケープデザインを繋ぎ、共用空間と紡いでいく
③ 家族の動線と気配がわかる間取りの提案
2. 評価コメント(原文)
端正な外観が美しい集合住宅である。ディテールも丁寧に設計され、また平面計画も、個室の数で価値を訴えるといった従来の評価軸とは別次元で計画されている点に好感が持てる。いわゆるタワーマンションは、長期的な社会情勢や経済状況の変化にいかに追随できるかが今後課題になるだろうが、この計画は、駅前という立地と相まって、こうした課題にも柔軟に応えられそうな可能性を示してくれている。余計な間仕切りを行わず可能な限りシンプルな平面構成にしていること、水回りをコンパクトに集約していることなど、将来的に様々な用途にも転用できそうな計画である。今後のタワーマンションのベンチマークになりそうである。
3. プロジェクト概要
所在地 : 大阪府箕面市船場東三丁目8番他(地番)
アクセス : 北大阪急行「箕面船場阪大前」駅徒歩3分
敷地面積 : 3,714.88 ㎡
延床面積 : 47,207.62㎡
構造・規模 : 鉄筋コンクリート造地上30階建
総戸数 : 397戸
事業主 : 東京建物株式会社、住友商事株式会社、阪急阪神不動産株式会社
設計 : 株式会社IAO竹田設計(意匠)・株式会社竹中工務店(構造、設備)
デザイナー : 株式会社キュリオシティ、有限会社橋本夕紀夫デザインスタジオ
施工 : 株式会社竹中工務店
竣工 : 2024年10月
HARUMI FLAG(カテゴリ13-01 中~大規模集合住宅)
※ 三井不動産レジデンシャル株式会社、三菱地所レジデンス株式会社、野村不動産株式会社、住友不動産株式会社、住友商事株式会社、東急不動産株式会社、NTT都市開発株式会社、日鉄興和不動産株式会社、大和ハウス工業株式会社との共同受賞
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会選手村としての一時利用を経て分譲を行う、「記憶と資源」「持続可能な都市機能」「人と生物の多様性」を次世代に継承していくための都市デザイン。世界水準のダイバーシティへの対応と街全体の調和を両輪で目指したプロジェクトです。


1. デザインのポイント
① 日本における新築の価値観に寄り添いながら、選手村の資源を有効活用した街づくり。
② デザインガイドラインを策定し、個性的でありながら調和のとれた街並みを創造。
③ 緑量だけでなく、地域植生や生態系まで配慮したエコロジカルネットワークを形成。
2. 評価コメント(原文)
東京2020大会の選手村としての資源を活かしながら、新たな都市の在り方を模索した取り組みである。既存建物の構造を再利用し、内装や設備を更新することで、環境負荷を抑えた再生型の住宅供給を実現した点は、持続可能な都市開発の一例である。また、世代や専門分野の異なる25名のデザイナーが参画し、多様性を尊重しつつも統一感のある街並みを形成している。ユニバーサルデザインの導入により、誰もが快適に暮らせる環境を整備しており、通路幅の確保や視認性の高い案内表示など、細部への配慮も行き届いている。さらに、地域の植生や生態系に配慮した緑化計画を推進し、約4,500本の樹木を植えることで、周辺地域との自然なつながりを築いている。複数の国際的な環境認証を取得したことは、このプロジェクトの設計思想と実行力の高さを示しており、都市開発における新たな方向性を示唆するものといえる。過度な装飾に頼らず、機能性と環境性を両立させた点において、HARUMI FLAGは現代都市の一つの理想形を体現している。
3. プロジェクト概要
所在地 : (PORT VILLAGE)東京都中央区晴海五丁目501番(地番) 、(SEA VILLAGE)東京都中央区晴海五丁目502番(地番)、(SUN VILLAGE)東京都中央区晴海五丁目503番(地番)、(PARK VILLAGE)東京都中央区晴海五丁目504番(地番)
敷地面積 : (PORT VILLAGE)26,300.14㎡、(SEA VILLAGE)23,633.20㎡、(SUN VILLAGE)37,441.27㎡、(PARK VILLAGE)35,175.79㎡
住戸数 : (PORT VILLAGE)1,487戸、(SEA VILLAGE)686戸、(SUN VILLAGE)1,822戸、(PARK VILLAGE)1,637戸
事業主 : 三井不動産レジデンシャル株式会社、三菱地所レジデンス株式会社、野村不動産株式会社、住友不動産株式会社、住友商事株式会社、東急不動産株式会社、東京建物株式会社、NTT都市開発株式会社、日鉄興和不動産株式会社、大和ハウス工業株式会社
設計 : (PORT VILLAGE)株式会社日建設計、東急建設株式会社、(SEA VILLAGE)株式会社日本設計、株式会社長谷工コーポレーション、(SUN VILLAGE)株式会社三菱地所設計、前田建設工業株式会社、(PARK VILLAGE)株式会社日建設計、三井住友建設株式会社
デザイナー : 光井純 アンド アソシエーツ 建築設計事務所株式会社 光井純、鳳コンサルタント株式会社 中野正則、有限会社内原智史デザイン事務所 内原智史
施工 : (PORT VILLAGE)東急建設株式会社、(SEA VILLAGE)株式会社長谷工コーポレーション、(SUN VILLAGE)前田建設工業株式会社、(PARK VILLAGE)三井住友建設株式会社
ミッドサイズオフィスビル「T-PLUS日本橋小伝馬町」(カテゴリ14-01 オフィス・産業施設の建築・環境)
※ 株式会社シーラカンスアンドアソシエイツ、青木あすなろ建設株式会社との共同受賞
東京都中央区小伝馬町に建つ、新しい働き方の実現を目指したミッドサイズオフィスです。環境条件によって現れるファサードと、それによって獲得された豊かな窓際空間で働く人の姿が重なり合うオフィスの立面的環境を構想し、画一的なブランドイメージではなくアイデンティティを表現しながら「ここにしかない風景」として建ち現れることを目指しました。東京建物が手掛けるミッドサイズオフィスビル「T-PLUS」シリーズの第1号物件です。


1. デザインのポイント
① 周辺建物が落とす影や照り返し、視線や風の抜けなどの微条件による、敷地の個性としてのアウターユニット
② オフィスワーカーの欲求やアクティビティにより変動していく、テナントの個性としてのインナーユニット
③ アウターユニット、インナーユニットが重なり合う風景が”ここにしかない風景”として立ち現れる建築
2. 評価コメント(原文)
都心のミッドサイズオフィスとして、均質化しがちなビルのあり方を刷新し、敷地や環境の個性を前向きに取り込んだ建築である。周辺からの光や風、視線といった微条件を読み取り「アウターユニット」として外観に表現し、内部では人の活動に応じた「インナーユニット」を設け、窓際を居心地のよい居場所へと変えている。外と内が重なり合うことで働く姿そのものがファサードを形づくり、街に個性的な表情を与えている点が魅力である。ブランドの画一性ではなく、敷地や人に根ざした唯一無二の風景を描き出し、入居者にとっても街にとっても誇れるオフィスを実現した好例である。
3. プロジェクト概要
所在地 : 東京都中央区日本橋小伝馬町16-12
アクセス : 東京メトロ日比谷線「小伝馬町」駅徒歩3分、JR 総武線快速「馬喰町」駅徒歩2分、都営新宿線「馬喰横山」駅徒歩4分、都営浅草線「東日本橋」駅徒歩7分
用途 : 1階:店舗、駐車場、2階~9階:事務所
敷地面積 : 419.97㎡
建築面積 : 323.28㎡
延床面積 : 2,777.25㎡
構造・規模 : 鉄骨造、地上9階
事業主 : 東京建物株式会社
設計・監理 : 青木あすなろ建設株式会社一級建築士事務所
デザイン監修 : 株式会社シーラカンスアンドアソシエイツ 赤松佳珠子+大村真也
施工 : 青木あすなろ建設株式会社
竣工 : 2022年4月30日
宿泊施設「ヒルトン京都」(カテゴリ14-02 商業のための建築・環境)
京都の中心地である河原町三条に世界中のゲストをターゲットとしたホテルを新築するプロジェクトです。313室の客室とプール、宴会場、スパ、ルーフトップバーを含む料飲施設を備え、ゲストの幅広いニーズに対応します。京都の歴史や伝統・革新から生み出される魅力とゲストとを結びつけるという意味を込めて「京都SYNAPSE」をコンセプトとしました。




1. デザインのポイント
① 京都の歴史と現代、伝統と革新の魅力をゲストと結びつける空間づくり
② 内部から外部へ、建物の空間構成と材料構成による奥行きのある装い
③ 来るたびに違う京都の景色に出会い、再び京都のまちに旅をしたくなる「庭」
2. 評価コメント(原文)
遠目に一見すると端正なオフィスビル。ここであっているのかと疑心暗鬼になりながら、奥へ奥へと導く通り庭を抜け内部に入ると、圧倒的な吹き抜け空間が現れる。このWao Factorは、「世界を変える坪庭」と併せ、間口が狭く奥行きの長い京都町屋の手法が現代的に解釈されており、非常に知的で大人のデザインであると感じられる。 開口部に障子を用いる客室デザインは、日本進出した50年以上前からオペレーターがこだわって踏襲し続けたアイコンでもあり、模倣ではない本物としての品格を兼ね備えている。 アッパーアップスケールホテルの好事例であり、グッドデザインと評価する。
3. プロジェクト概要
所在地 : 京都府京都市中京区下丸屋町416
アクセス : 京都市営地下鉄東西線「京都市役所前」駅徒歩約2分
構造・規模 : RC造(一部SRC造)地下2階・地上9階
事業主 : 東京建物株式会社
設計・施工 : 株式会社竹中工務店
内装デザイン : 有限会社橋本夕紀夫デザインスタジオ
竣工 : 2024年5月15日
客室数 : 313室
付帯施設 : レストラン、宴会場、会議室、スパ、フィットネスセンター、屋内プール他
開業日 : 2024年9月12日
ホテル公式サイト : https://hiltonhotels.jp/hotel/kansai/hilton-kyoto
アートゴールデン街(カテゴリ19-02 コミュニティづくりの取り組み・活動)
解体待ちの老朽マンション一棟を活用し、国内外アーティスト約70組と共創するアート展を開催しました。ビル1棟の各部屋や共用部分も含めて創作し、20日におよぶ会期で約7,000人の来場者を呼び込み、アーティストの表現を通じて解体予定ビルの在り方に一石を投じ、閑散とした周辺地域に色どりや活気を生み出しました。


1. デザインのポイント
① 解体ビルの在り方を変えるべく、「ビル終活」と銘打ち、解体までの有効活用と周辺地域の課題解決を実現
② カルチャーの発信点、渋谷・恵比寿・代官山をまたぐ10階建ての解体予定ビル1棟を活用したアート展を開催
③ 約70組の国内外のアーティストが建物1棟をキャンバスに見立て制作、街に賑わいを創出
2. 評価コメント(原文)
高度成長期ストックの更新期の解体案件が増加し、解体待ちの空白の増す空洞化や治安不安などの地域課題に対して、ディベロッパーという立場を活かした暫定利用の魅力的な取り組み。解体町のビル一棟まるごと地域に開き、空白の“期間”を地域に還元し、大きなスケールとインパクトをもって“期間の空白”を価値化している。近隣合意や安全管理まで担い、仮囲い活用や他物件への横展開を見据えた運用の型を示している。これを一過性のイベントで終わらせず、継続・展開する一連の取り組みとして期待したい。
3. プロジェクト概要
所在地 : 東京都渋谷区恵比寿西二丁目5-1 セゾン代官山 ※解体中
構造・規模 : RC造(一部SRC造)地下2階・地上9階
共催 : 株式会社エフ広芸(NOX GALLERY)、SUPERCHIEF GALLERY、東京建物株式会社
企画・監修 : 株式会社エフ広芸(NOX GALLERY)、SUPERCHIEF GALLERY、ビジュアルボイス
運営 : 株式会社エフ広芸
公式サイト : https://www.goldengai.art/