2020年2月5日
2020年2月12日
長期ビジョンおよび中期経営計画策定の背景
当社グループは、2019年度を最終年度とする5カ年の中期経営計画(2015~2019年度)「次も選ばれる東京建物グループへ」において、計画を推進した結果、2019年度については営業利益が524億円、D/Eレシオ2.5倍、有利子負債/EBITDA倍率12.6倍となり、当初目標を上回る利益成長と規律を意識した財務運営を実現しました。
一方、当社グループを取り巻く事業環境に目を転じると、国際的な都市間競争の激化、ライフスタイルの多様化、デジタル技術の進展、ESGに対する意識の高まり等、様々な側面で大きく変化しています。
このような事業環境においても、グループ一丸となった持続的成長を実現すべく、SDGsのターゲットイヤーであり、現在推進している大規模再開発が竣工を迎える2030年頃を見据えた長期ビジョンおよび2020~2024年度を対象とした中期経営計画を策定しました。
2030年頃を見据えた長期ビジョン
次世代デベロッパーへ
人口動態の変化や人々の価値観の多様化、テクノロジーの加速度的な進展など、
変化が激しく、不確実性が高まっている時代のなか、
サステナブルな社会の実現に向けて様々な課題が顕在化している。
東京建物グループは、
デベロッパーが果たす役割も大きく変わるべきだと考え、事業を通じて
「社会課題の解決」と「企業としての成長」をより高い次元で両立することで、
すべてのステークホルダーにとっての「いい会社」を目指します。
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着実な利益成長
- 2030年頃の目指す姿:
連結事業利益※1,200億円
- 2030年頃の目指す姿:
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様々な社会課題の解決
- SDGs達成への貢献
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利益成長の基本方針
◼ 安定的な賃貸利益を着実に拡大、利益構成の中心とする
◼ 資本効率を意識したバランスの良い利益構成を目指す
※ 連結事業利益=連結営業利益+持分法投資損益
海外事業等の成長を取り込むため、目標とする利益指標として、営業利益に持分法投資損益を加えた「事業利益」を設定。
中期経営計画の位置づけ
2030年頃を見据えた長期ビジョンの達成に向けて、2020~2024年の5年間を中期経営計画期間と設定、マイルストーンとして連結事業利益750億円の達成を目指します。


※ 連結事業利益=連結営業利益+持分法投資損益
利益・財務計画
2024年度数値として、利益目標については連結事業利益750億円を目指します。また、資本効率・財務規律を意識し、事業ポートフォリオの最適化をはかるため、ROE・D/Eレシオ・有利子負債/EBITDA倍率の数値を以下の通り設定しました。
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利益目標
連結事業利益※1:750億円
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資本効率
ROE:8~10%
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財務指針
D/Eレシオ※2:2.4倍程度
有利子負債/EBITDA倍率※3:12倍程度
※1 連結事業利益=連結営業利益+持分法投資損益
※2 D/Eレシオ=連結有利子負債÷連結自己資本
※3 有利子負債/EBITDA倍率=連結有利子負債÷(連結営業利益+連結受取利息・配当金+持分法投資損益+連結減価償却費+連結のれん償却費)
ロードマップ2030
長期ビジョン実現に向けて、本中期経営計画期間においては、5つの重点戦略とESG経営の高度化に取り組みます。
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重点戦略①
大規模再開発の推進
大規模再開発の着実な推進とエリアの魅力向上に取り組み、オフィスビルポートフォリオ全体の価値向上による安定的な賃貸利益の拡大を目指します。
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重点戦略②
分譲マンション事業の更なる強化
再開発・建替え等の手法を駆使した競争力の高いマンションの開発機会を継続的に獲得し、社会変化に対応した良質な住まいを提供します。
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重点戦略③
投資家向け物件売却の拡大
ホテル・賃貸マンション・物流施設等、幅広いアセットタイプへの積極投資により継続的に開発機会を獲得し、機動的な売却による利益創出を行います。
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重点戦略④
仲介・ファンド・駐車場事業の強化
不動産ストックの増加や有効活用ニーズに着目し、仲介事業・駐車場事業の強化を図ります。当社がスポンサーを務めるREIT等への投資家向け物件売却の拡大により、ファンド事業を強化します。
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重点戦略⑤
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海外事業の成長
中国・その他アジア諸国を中心に現地有力パートナーと協業し、事業期間が短い分譲マンション事業等を主軸に新規事業機会の獲得を目指します。
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ESG経営の高度化
サステナビリティ委員会を設置し、事業部門と連携して目標設定や進捗状況のモニタリング、達成内容の評価等を行うことで、サステナビリティ施策を継続的に展開します。
ESG格付機関等による評価をベンチマークとして活用し、ESGインデックスへの組み入れを目指します。
投資計画
本中期経営計画における5年間累計の投資計画は以下の通りです。資本効率を意識した投資の推進に加え、収益性等を考慮した固定資産の売却や政策保有株式の縮減等により、D/Eレシオを維持・低減させながらバランスシートを適切にコントロールします。
グロス投資額 | 14,000 | |
大規模再開発への投資 | 2,300 | |
分譲マンションプロジェクトへの投資 | 4,300 | |
投資家向け売却物件への投資 | 5,500 | |
海外事業への投資 | 700 | |
その他 | 1,200 | |
回収額 | 9,000 | |
ネット投資額 | 5,000 |
株主還元方針
本中期経営計画期間では連結配当性向30%以上の配当を基本とし、持続的な成長により継続的に株主還元の拡充を図ります。
自己株式の取得は、事業環境や財務状況等を踏まえて実施の是非を検討します。