
ESG経営・KPIESG Management & KPI
長期ビジョン
次世代デベロッパーへ
人口動態の変化や人々の価値観の多様化、テクノロジーの加速度的な進展など、変化が激しく、不確実性が高まっている時代のなか、
サステナブルな社会の実現に向けて様々な課題が顕在化している。
東京建物グループは、デベロッパーが果たす役割も大きく変わるべきだと考え、事業を通じて「社会課題の解決」と「企業としての成長」を
より高い次元で両立することで、すべてのステークホルダーにとっての「いい会社」を目指します。
東京建物グループのESG経営の全体像
当社グループは、事業を通じて「社会課題の解決」と「企業としての成長」をより高い次元で両立するため、ESG経営の高度化を推進し、グループ全体で積極的にサステナビリティ施策に取り組んでいます。
近年、事業環境の変化が激しくなるなか、ESG経営の重要性は増しています。こうした環境において、グループ一丸となって持続的成長を実現するため、長期ビジョンの策定およびサステナビリティ推進体制の整備を行いました。
長期ビジョンは、当社が現在推進中の大規模再開発が竣工するタイミングであり、SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)のターゲットイヤーとも重なる2030年頃を見据えています。
特に注視する外部環境
- 国際的な都市間競争の激化
- 金融環境の変化
- 国内の総人口・生産年齢人口の減少
- ワークスタイルやライフスタイルの多様化
- 人材獲得の競争の激化
- デジタル技術の進展やグローバル化の加速
- ESGに対する意識の高まり
- 地政学リスク、自然災害リスクの増大

SDGsへの考え方
SDGsは、国連サミットで採択された2030年までの国際的な目標です。途上国から先進国まで、多様な社会的課題を踏まえた17の目標が幅広い分野で設定されており、企業にも目標達成に向けた貢献が期待されています。当社グループは、SDGsの達成に貢献することを社会からの要請と捉え、長期ビジョン・中期経営計画に盛り込み、グループ全体で積極的にサステナビリティ施策に取り組んでいます。デベロッパーとして、持続可能な社会の実現を目指して事業を展開していきます。

ESG経営体制
当社グループは、サステナビリティ施策をグループ全社で横断的に推進するため、当社社長が委員長を務める「サステナビリティ委員会」を設置するとともに、審議事項の事前協議等を担う下部組織として「サステナビリティ推進協議会」を設置しています。
サステナビリティ委員会は、「グループ経営会議」「内部統制管理委員会」と並ぶ社長直轄の会議体と位置づけ、原則として年2回開催し、ESGに関する重要事項の審議や目標の設定、進捗状況のモニタリング、達成内容の評価等を行っています。また、サステナビリティ委員会での審議事項は、必要に応じて取締役会に報告され、監督される体制としています。
サステナビリティ推進協議会では、サステナビリティ委員会での審議事項の事前協議のほか、決定事項の共有、サステナビリティ施策の進捗状況の報告等を行っています。

ESGに関するKPI・目標および進捗管理
当社グループは、ESG経営の高度化がステークホルダーの中長期的な利益の最大化に資するものと考え、2021年に特定したマテリアリティに基づき、ESGに関するKPI・目標を設定しています。
目標達成に向けたアクションプランを各事業本部または事業部の事業計画に盛り込む運用とし、サステナビリティ推進協議会にて取り組み状況を把握したうえで、サステナビリティ委員会において達成内容を評価し、PDCAサイクルを通じて進捗状況を管理しています。また、進捗状況は、必要に応じて取締役会に報告され、監督される体制となっています。

マテリアリティに基づくKPI・目標一覧
環境関連のKPI・目標
マテリアリティ | 項目 | KPI・目標 | 範囲 | 目標年度 | 目標値 |
---|---|---|---|---|---|
脱炭素社会の推進 | 温室効果ガス排出量の削減 | CO2排出量の削減率 | スコープ1、2※1 | ①2030 ②2050 |
①2019年度比 40%削減 ②ネットゼロ |
スコープ3※2 | ①2030 ②2050 |
①2019年度比 40%削減 ②ネットゼロ |
|||
再生可能エネルギーの導入 | 事業活動で消費する電力への再生可能エネルギーの導入率 | ①ビル事業の保有不動産 ②すべての事業活動 |
①2030 ②2050 |
①40% ②100% |
|
ZEB・ZEH※3の開発促進 | 新規開発物件におけるZEBの開発比率 | オフィスビルおよび物流施設 | 2030 | 原則として100% | |
新規開発物件におけるZEHの開発比率 | 分譲マンション | 2030 | 原則として100% | ||
グリーンビルディング認証※4の取得 | 新規開発物件におけるグリーンビルディング認証の取得比率 | オフィスビルおよび物流施設 | 2030 | 原則として100% | |
循環型社会の推進 | 廃棄物の排出量削減 | 廃棄物の排出量原単位の削減率 | 長期保有ビル※5 | 2030 | 2019年度比 20%削減 |
廃棄物のリサイクル推進 | 廃棄物の再利用率 | 長期保有ビル※5 | 2030 | 90% | |
水使用量の削減 | 水使用量原単位の削減率 | 長期保有ビル※6 | 毎年 | 前年度より低減 | |
再生水の利用促進 | 新規開発物件における中水※7処理設備の導入率 | 延床面積30,000m2超のオフィスビル | 2030 | 100% | |
脱炭素社会の推進 /循環型社会の推進 |
木材の利用促進 | 新規開発物件における共用部の内装・家具等への国産材・認証材の採用割合 | 長期保有ビル※6および分譲・賃貸マンション | 2030 | 100% |
分譲・賃貸マンション | 2030 | 100% | |||
新規開発物件における主要構造部へのCLTの採用 | 分譲・賃貸マンション | 2023 | - | ||
お客様との連携・共創 | テナント様とサステナビリティに関するコミュニケーションを年4回以上実施している割合 | 長期保有ビル※6 | 毎年 | 100% | |
入居者様とのコミュニケーションを通じたサステナビリティ関連施策の立案・推進 | 分譲・賃貸マンション | 毎年 | - |
※ 1 スコープ1:当社グループでの燃料使用による直接排出量、スコープ2:当社グループが購入した電気・熱の使用による間接排出量。
※ 2 スコープ3:その他事業活動にともなう間接排出量。対象範囲は、カテゴリ11(販売した製品の使用)。
※ 3 ZEBとは「ネット・ゼロ・エネルギー・ビル」の略称で、先進的な技術の採用による大幅な省エネ化、再生可能エネルギーを導入することにより、エネルギー自立度を極力高め、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロとすることを目指した建築物。 ZEHとは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略称で、断熱や省エネルギーなどのエネルギー消費低減と発電によるエネルギー創出を総合して、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロにすることを目指した住宅。
※ 4 DBJ Green Building認証、CASBEE建築およびBELS(建築物省エネルギー性能表示制度)などの認証を指すが、これらに限られない。
※ 5 当社が実質的にエネルギー管理権原を有し、かつ、廃棄物の再利用・減量にかかる計画書を提出している主な長期保有ビル・商業施設が対象。
※ 6 当社が実質的にエネルギー管理権原を有している主な長期保有ビル・商業施設が対象。
※ 7 雨水やビルで発生する雑排水(冷却塔やテナント様の厨房からの排水など)を原水とする再生水。トイレの洗浄水や植栽散水などの非飲料用途で再利用する。
社会関連のKPI・目標
マテリアリティ | 項目 | KPI・目標 | 範囲 | 目標年度 | 目標値 |
---|---|---|---|---|---|
従業員の成長と 働きがいの向上 |
能力開発の推進 | 社員1人当たりの平均研修時間 | 東京建物 | 毎年 | 15時間以上 |
キャリア研修受講率 | 東京建物 | 毎年 | 100% | ||
健康経営の推進 | 健康診断受診率 | 東京建物 | 毎年 | 100% | |
再検査受診率 | 東京建物 | 毎年 | 100% | ||
喫煙率 | 東京建物 | 2022 | 12%以下 | ||
ダイバーシティ& インクルージョン |
人権の尊重 | 人権方針の周知 | 東京建物グループ | 毎年 | - |
ワークライフバランス | 平均年次有給休暇取得率 | 東京建物 | 毎年 | 70%以上 | |
男性の育児休業取得率 | 東京建物 | 2025 | 30%以上 | ||
多様な人材の活躍推進 | 女性管理職比率 | 東京建物 | 2030 | 10%以上 | |
障がい者雇用率 | 東京建物 | 毎年 | 2.3%以上 |
ステークホルダー・エンゲージメント
当社グループの事業活動は、商品やサービスをご利用いただいているお客様だけでなく、地域社会、社員・従業員、株主・投資家、取引先など、多くのステークホルダーに支えられています。当社グループは、これらのステークホルダーとの長期的な信頼関係の構築が事業活動において不可欠であると考え、様々な形でステークホルダーの声を取り入れ、社会価値創出に取り組んでいます。
東京建物グループの主なステークホルダーと対話の考え方・対話の手法
ステークホルダー | 対話の考え方 | 対話の手法 |
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お客様 ビルのテナント様、住宅のご購入者様、各種サービスのご利用者様等 |
安全・安心で価値のある商品・サービスの提供およびお客様満足度の向上に継続的に取り組むため、お客様の声を事業活動に反映する様々な仕組みを導入しています。 |
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地域社会 物件の立地する地域のコミュニティ、行政等 |
まちづくりや様々なコミュニティ活動等を通じて、地域の価値向上に取り組み、地域社会へ貢献していきます。 |
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社員・従業員 | 成長を実感できる働きがいのある職場の実現に取り組むとともに、信頼される人材・未来を切り開く人材の育成に努めています。 |
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株主・投資家 | 誠実かつ公正な情報開示と、積極的なコミュニケーションにより、株主や投資家の皆様との長期的な信頼関係の構築および適切な評価の獲得を目指しています。 |
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取引先 物件の企画・開発・管理やサービス提供にかかわる事業者等 |
より良いパートナーシップの実現に向け、取引先の皆様と公正・公平な取引を行うとともに、緊密なコミュニケーションの実現に努めています。 |
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