貢献するSDGs目標
サステナブルなまちづくりに取り組んでいる東京建物では、働き方やオフィスニーズの変化に伴い、環境に配慮したオフィスづくりについても、様々なプロジェクトを推進しています。今回は、2022年9月にオープンした東京スクエアガーデン12階フロアの一部(525.42㎡)にある「サステナブルセットアップオフィス」をご紹介します。
オフィスづくりにおいては、退去時に多くの廃棄物が発生すること、入居時の内装や退去時の原状回復などに時間・手間・コストが発生することが課題にあげられます。この「サステナブルセットアップオフィス」は、資源の再利用・再生によって環境へ配慮しながら、出社とリモートワークの併用やABW(Activity Based Working)の導入など、昨今の働き方の変化にも対応し、企業(働く人)の利便性・ウェルビーイングを同時に実現する狙いがあります。
「サステナブルセットアップオフィス」は、東京駅、銀座エリア、日本橋エリアに近く、東京メトロ銀座線京橋駅に直結する東京スクエアガーデン内に設けられ、交通の利便性が高い立地です。オフィスに入ると、様々な面で「優しい」ことが感じられます。再利用を促進していくことで環境に優しく、利用する企業にとってはコスト面でも移転スケジュール面でもメリットがあります。また、フレキシブルな使いやすさも優しさといえます。
再利用するだけではない、トレンドを捉えたデザイン性と機能性を兼ね備える
貸室内のグレーのフロアカーペットや、各種ミーティングスペースの什器の一部、間仕切りの壁などは、クリーニングのうえ再利用しています。一方、働きやすい環境を提供するために、単なる再利用だけではなくトレンドを捉えたデザイン性と機能性を備え、新しいセットアップオフィスとして再生しています。例えば、ごみの廃棄場所(クリーンステーション)には色とイラストでわかりやすく自然に分別を促すなど、デザインとサステナブルの連動についても配慮しています。また、カーテンでゆるやかに仕切ることができる打ち合わせスペースやフレキシブルゾーンなど、フロア全面を無駄なく使えるという点でもフレキシブルを徹底しています。
なお、入居企業には防災備蓄品を提供しており、非常食や衛生用品を用意しています。備蓄品が十分に保管できる収納家具や収納スペースも確保しています。
社員の交流を様々な設備で促進
コロナ禍が長期化しリモートワークが一般化する中で出社するメリットを感じられるように、フロアの随所にコミュニケーションスペースを配置。ブレインストーミング系のミーティングなどに活用できるホワイトボードを計8カ所に整えるなど、対面だからこそ生まれるアイデアへの期待が込められています。そうした空間を水回りやクリーンステーションと一体化させ、コミュニケーションと同時にサステナブルも自然に意識できるようになっています。
また、WEB会議BOXやミーティングルーム内にWEB会議システムを標準装備するなど、オフィス外部とのコミュニケーションについても万全を期しています。社員の交流に対してもフレキシブルなのが特徴です。
「TRANSPLANT」コンセプトへの想い
このプロジェクトを推進するにあたり、「TRANSPLANT(トランスプラント)」というコンセプトを掲げました。直訳すると「(植物を)移植する」となりますが、これには、いくつかの意味があります。内装・什器の再利用により、エコでクリーンオフィスを目指すこと、シーンや気分によって働くエリアを使い分けられる空間設計、企業や社員がのびのびと成長できるオフィス環境を提供したいという強い想いなどがありますが、入居した企業が事業を成長させてこの場所から卒業し、次の企業へとオフィスづくりのバトンをつなぐことも、植物が生育場所を広げながら繁栄していく様子にイメージを重ねています。
また、この「サステナブルセットアップオフィス」がある東京スクエアガーデンには、「京橋の丘」と称する約3,000㎡の広大な植栽を施しています。飲食店や物販店舗はもちろん、子育て支援、医療などオフィスサポート施設も充実。他にも、マルシェやウェルネスイベント、アート展覧会まで様々な催しを開催し「このビルだからこそ」という新たな出会いや気づき、仕事以外の時間も堪能できる施策を企画しています。
こうしたトータルで継続的な価値の提供こそ、東京建物が目指す企業様とのサステナブルな関係性のあり方なのです。
発展する八日京エリアとともにサステナブルなまちづくりへ
東京建物では八重洲、日本橋、京橋の「八日京」エリアで、産官学のさまざまなプレイヤーの集積と連携が、イノベーションにつながる新たな産業の育成や経済成長の好循環を生み出すようなビジネス環境としての「イノベーション・エコシステム」の形成を推進しています。こうした「サステナブルセットアップオフィス」もエコシステムの一部として、ビジネスエリアのさらなるサステナブルなまちづくりの推進に寄与すると考えます。
「TRANSPLANT」という発想のもと、東京建物が提供するオフィスという「肥沃な土壌」で、多くの企業様が繁栄していく未来を思い描いています。