集合住宅の再生Revitalization of Aging Condominiums

方針・考え方

戦後、日本各地につくられ高度成長を支えた「団地」が老朽化し、建替えが必要な時期を迎えています。また、建物の劣化だけでなく、かつて多くの子育て世代が住んでいた団地は住人の高齢化と減少が進んでおり、孤独死が社会的な問題に挙げられるなど、地域住民をつなぐコミュニティの再生が必要になっています。
東京建物グループは、中期経営計画で住宅事業の重点戦略として「長期建替え・再開発事業への注力」を掲げています。
団地やビルなどの既存ストックを更新するとともに、これからの時代に対応した新しい価値を生み出し、地域コミュニティの再生に貢献しています。

指標と実績

指標 ~2014 2015 2016 2017 累計 事業推進中
建替え前 総住戸数 664戸 130戸 80戸 0戸 874戸 4,057戸
建替え後 総住戸数 1,298戸 232戸 114戸 0戸 1,644戸 7,480戸(予定)

マンション再生「Brillia 小金井桜町」

2016年5月に竣工した「Brillia 小金井桜町」は、武蔵野の豊かな緑の中に位置する「小金井コーポラス」の建替えによって生まれました。

マンション再生の検討を始めた時はすでに築約50年が経過し、住民の方の高齢化と建物の老朽化が進行していました。また、エレベーターやオートロックがないなど、機能・防犯の面でも課題を抱えていたため、大規模修繕による機能向上と建替えを詳細に比較し、2013年に建替えを決定しました。

その後、建築費の高騰による事業計画の見直しなど、困難に直面しつつも、住民の皆様が話し合いを続け、2014年に権利変換※計画が認可され、無事に完成しました。

建替えによって大きく住宅性能が向上したうえ、エレベーターが設置されて移動しやすくなりました。また、住棟の配置を変更することで防犯性能を高めるなど、子どもや高齢者にも暮らしやすいマンションとなりました。

  • 権利変換:旧マンションの区分所有権や敷地利用権を、新マンションでの権利や金銭での給付に変換すること。新旧で評価額が変わるため、住民間での合意形成が必要。権利変換計画は市区町村長による認可を受ける。

POINT「Brillia 小金井桜町」マンション再生のポイント

  1. 大規模修繕と建替えを綿密に比較検討
  2. 建替えによる住宅性能の大幅向上
  3. 緑豊かな環境と防犯を両立する植栽と提供公園

「Brillia 小金井桜町」全景。配棟を変更し、南棟と東棟のL型で「光と緑と風」を感じることをめざした。

物件データ

事業概要 (建替え前)
小金井コーポラス
(建替え後)
Brillia 小金井桜町
所在地 東京都小金井市桜町二丁目
建築時期 1964、1965年竣工 2016年竣工
敷地面積 5,356.35m² 5,219.46m²
基準建ぺい率 変更なし
許容容積率 変更なし
延床面積 4,914.57m² 9,081.48m²
棟 数 全3棟、4階建 全1棟、8階建
住戸数 80戸 114戸(うち分譲61戸)
住戸面積 54.24~54.44m² 46.75m²~84.96m²
間取り 2DK、3DK 1DK~4LDK

団地再生「Brillia 多摩ニュータウン」

2013年10月に竣工した「Brillia 多摩ニュータウン」は、40年余りの歴史をもつ多摩ニュータウン「諏訪2丁目住宅」の建替え事業によって生まれたコミュニティです。東京建物は2007年から8年間にわたって、権利者や関係者と共に建替え事業を進めました。その結果、緑地保存や公開空地を確保しながら全7棟1,249戸への建替えを実現しました。

集合住宅の老朽化が深刻化するなか、「Brillia 多摩ニュータウン」の建替え事業は、「日本最大級の建替え事業」「歴史ある多摩ニュータウンの再生」という社会的意義が関心を呼び、大きな注目を集めました。お客様だけでなく建替えを検討している団地の管理組合や自治体からの視察も相次いでいます。

建替え以前は、旧住民の世代構成は高齢者に偏っていましたが、分譲で新たに住宅を購入した層の約7割が20~40代であったこと、旧住民の多くが再入居したことから、一般的な郊外型マンションよりも幅広い年代の人々が住む多世代型のコミュニティが誕生しました。現在は、新旧住民の分け隔てなく多数の方々が参加されながら、夏祭りなどのイベントが継続的に企画されており、さらなるコミュニティの醸成が図られています。

POINT「Brillia 多摩ニュータウン」団地再生のポイント

  1. 日本最大級の団地建替え事業(640戸→1,249戸へ)
  2. 住民構成の変化によるコミュニティ活性化
  3. 緑地保存による生活環境の維持

「Brillia 多摩ニュータウン」全景。既存の緑地を保存しながら、日本最大規模の建替え事業を実現しました

物件データ

事業概要 (建替え前)
諏訪2丁目住宅
(建替え後)
Brillia 多摩ニュータウン
所在地 東京都多摩市諏訪二丁目2番、4番(地番)
建築時期 1971年竣工 2013年竣工
敷地面積 64,399.93m²
基準建ぺい率 10% 60%
許容容積率 50% 200%(地区計画により150%)
延床面積 34,037.13m² 124,904.05m²
棟 数 全23棟、5階建 全7棟、11階・14階建
住戸数 640戸 1,249戸(うち分譲684戸)、附帯施設3区画
住戸面積 全戸48.85m² 43.17m²~101.44m²
間取り 全戸3DK 2DK~4LDK

TOPICS千里ニュータウンでの団地再生

日本最初の大規模ニュータウンである、大阪府の千里ニュータウンは、1962年のまちびらきから半世紀以上が経過し、各々の団地は建替えによるコミュニティの再生に取り組んでいます。
東京建物は、千里ニュータウンにおいて「千里津雲台A分譲住宅マンション建替事業」に参画しています。「千里津雲台A分譲住宅マンション建替事業」は、吹田市における初の「マンション建替え等の円滑化に関する法律」に基づく組合施行方式の団地再生事業です。2015年から住民の皆様とともに本事業に取り組み、2019年12月からの権利者の皆様のご入居を予定しています。

「千里津雲台A分譲住宅」建替え後のイメージ