気候変動Climate Change

方針・考え方・体制

パリ協定において、世界の平均気温上昇を2℃未満に抑える合意がなされ、低炭素社会の実現に向けた取組みが求められるなか、不動産業界においても、保有不動産や事業活動において、温室効果ガスを削減する取組みが不可欠です。
また、気候変動による風水害等の自然災害の増大は、社会に多大な影響を与えると同時に、保有不動産の価値低下等にもつながる可能性があるため、気候変動の影響に備えることが重要です。
東京建物グループは、「グループ環境方針」の一つに「地域をリードする温暖化防止」を掲げ、省エネルギー設備等の環境性能に優れた不動産の開発に取り組むと同時に、風水害等の自然災害に強い不動産の開発を進めています。

指標と実績

東京建物の事業活動において、最もエネルギーを使用するのはオフィス(商業)ビルを運営管理しているビル事業であり、エネルギー使用割合は、東京建物の97.0%を占めています(省エネ法に基づく試算)。そのため、ビル事業におけるエネルギー使用量を削減することが、東京建物全体のエネルギー使用量削減、温室効果ガス排出削減に大きく寄与します。
エネルギー使用量の削減にあたっては、床面積による原単位を指標とし、省エネ法に基づく5年間の移動平均で毎年1%の原単位削減を目標としています。
2016年度は、大規模商業施設のリニューアル工事に合わせLED照明を導入したことおよびエネルギー効率の悪いオフィスビルを売却したことにともない、エネルギー使用量、CO2排出量ともに減少し、エネルギー使用量の原単位も下がりました。
CO2排出量の原単位は、一部の電力会社の排出係数が大幅に高くなった影響により上がりましたが、東京建物では、全ての物件で電力会社のCO2排出係数を毎年確認し、必要に応じて係数の小さい電力会社に切り替えるなどの検討を行っています。

●集計期間
  • 各年度の4月から翌年3月まで
●集計範囲
  • 省エネ法届出対象施設
  • 報告対象となるビルの床面積は年ごとに変動します。
●集計対象
  • エネルギー使用量・原単位
  • CO2排出量・原単位

報告対象床面積(基本原単位)の推移

  • 原単位は報告対象となるビルの床面積に入居率を加味して計算します。
    報告対象となるビルの床面積は年ごとに変動します。

エネルギー使用量の推移

CO2排出量の推移

ビル事業における気候変動への取組み

東京建物の保有・管理するオフィスビルでは、以下の取組みを推進することで、温室効果ガスの排出削減に取り組んでいます。
2017年9月に竣工した「エンパイヤビル」では、BEMS、LED照明、自然換気システムなど、多くの環境・省エネ設備を採用し、PAL*削減率16%(AA)以上、ERR29%(AAA)以上、CASBEE®のAランク相当(自主評価)を達成しました。

【設備採用・更新による取組み(新規・既存物件)】

  • 高効率空調機への更新(2017:既存9件)
  • 専用部照明のLED化(2017:新規1件、既存12件)
  • 共用部照明のLED化(2017:新規2件、既存16件)
  • セキュリティと連動した空調・照明OFF機能の導入(2017:既存2件)

【運用方法の改善による取組み(既存物件)】

  • 共用部空調温度管理の徹底(2017:既存23件)
  • BEMS導入事業所でのBEMS活用(2017:既存7件)
  • 設計性能を最大に発揮する管理を実現するための情報共有(2017:既存7件)
  • 外部機関によるエネルギー診断の実施(2017:既存3件)
  • バックヤード照明の消灯・間引き

【テナント様との協働による取組み(既存物件)】

  • 夏季・冬季の節電(2017:共用部33件、専用部25件)
  • 総量削減制度対象事業所で省エネ推進協議会を年1回開催(2017:既存5件)

【本社ビルでの省エネ】

  • 昼休みの照明消灯
  • クールビズの導入による夏季空調温度の緩和
  • LED照明の導入
  • タスク・アンビエント照明の導入
  • 常用照明の間引き点灯

2009年度実績分から、東京都環境確保条例に基づく「地球温暖化対策報告書」を提出しています。

住宅事業における気候変動への取組み

「Brillia」では、お住まいのお客様が無理なく省エネできるよう、省エネにつながるさまざまな設備機器等を導入しています。LED照明や断熱性の高い窓ガラス、節湯型水栓、節水型トイレ等、意識せずに日常生活で省エネを実現できる設備機器等を設定しています。また、電気使用状況を「見える化」するHEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)端末等(一部)を導入し、お客様自身が主体的に省エネに取り組めるよう、支援しています。
「Brillia 大山 Park Front」では、家庭用燃料電池「エネファーム」を1階の住戸に採用することにより、都市ガスで発電し、発電時の排熱を給湯として利用しています。それによって85.8%※1という高い一次エネルギー利用効率を実現しました。(大規模発電所では37%※2程度)

  • ※1
    HHV(高位発熱量)基準により算出
  • ※2
    出典:エネルギー使用の合理化に関する法律

グリーン電力証書による再生可能エネルギーの利用

東京建物では、2016年5月から、Brilliaブランドのマンションモデルルームにおいて使用する電力を、グリーン電力証書の枠組みを利用して100%再生可能エネルギーに切り替えました。2017年は約62万kWhの電力に、グリーン電力証書を活用しました。

太陽光発電所による「創エネ」事業

ビル管理を行う東京不動産管理では、環境事業として、ビル管理の視点からの省エネルギー提案や、再生可能エネルギーの固定価格買取制度のスタートにあわせた太陽光発電所による「創エネ」事業に取り組んでいます。北関東地域を中心に太陽光発電所を展開しており、2017年12月末時点で8ケ所、計12,382kWの発電容量を有しています。

東京不動産管理が運営する太陽光発電所

風水害に強い不動産の開発

近年、気候変動等が原因とみられる大規模な風水害が増えています。東京建物グループでは、ビルや住宅の開発において、台風や水害、大地震等、さまざまな災害の発生を想定し、災害に対応した設計や設備を採用しています。
2015年2月に竣工した東京建物日本橋ビルでは、以下の取組みを行っています。

  • 免震構造(地下1階柱頭免震)の採用
  • 72時間運転可能な非常用発電機の設置
  • ゲリラ豪雨や荒川決壊に対する浸水対策として、浸水想定以上の防潮板の設置
  • ビルの中枢機能である防災センターを2階に設置
  • 変電設備・非常用発電機を屋上に設置(万が一のビル浸水時にも電源供給が途絶えることなく、継続的な運営が可能)

気候変動問題に関する意識啓発

2017年は、温室効果ガスの排出量削減の数値目標を定めた京都議定書から20年目となる節目の年です。そこで、気候変動問題への関心を高めるために、2017年12月に京都で行われたイベント・国際会議と連動し、東京建物が保有する商業施設「SMARK(スマーク)伊勢崎」のイベントスペースを提供して、一般財団法人新エネルギー財団主催の「地球環境フェスティバル」を開催しました。
子どもやその保護者の方たちに、楽しみながら環境について学んでいただくため、3面マルチ映像ステージや工作・発電体験教室、企業の取組み紹介、クイズラリー等を実施したところ、多くの方が参加されました。

クイズラリーの様子