グリーンファイナンスGreen Finance

方針・考え方・体制

パリ協定において、世界の平均気温上昇を2℃未満に抑える合意がなされ、低炭素社会の実現に向けた取組みが求められるなか、不動産業界においても、保有不動産や事業活動において、温室効果ガスを削減する取組みが不可欠です。

グリーンファイナンスは、地球温暖化対策や再生可能エネルギーなど、環境分野への取組みに特化した資金を調達するための債券(グリーンボンド)や借入(グリーンローン)です。原則として国際資本市場協会が定める「グリーンボンド原則」「グリーンローン原則」および環境省が定める「グリーンボンドガイドライン」に則って調達されます。

東京建物グループは、「グループ環境方針」の一つに「地域をリードする温暖化防止」を掲げ、省エネルギー設備等の環境性能に優れた不動産の開発に取り組むと同時に、風水害等の自然災害に強い不動産の開発を進めるなど、サステナビリティへの取組みを一層強化するねらいから、グリーンファイナンスによる資金調達を行っています。

グリーンファイナンスのフレームワーク

東京建物では、グリーンボンド原則・グリーンローン原則が定める4要件(調達資金の使途、プロジェクトの評価および選定プロセス、調達資金の管理、レポーティング)に適合するグリーンファイナンス・フレームワークを策定しています。

【資金使途】

以下の適格クライテリアを満たすグリーンビルディングの取得・建設資金、もしくは同資金のリファイナンスに充当します。

適格クライテリアは、下記①~③の第三者認証機関の上位2つの認証/再認証のいずれかを取得済みもしくは今後取得予定の物件です

  • DBJ Green Building認証における5つ星または4つ星
  • CASBEE建築(新築)におけるSランクまたはAランク
  • BELS認証における5つ星または4つ星

【プロジェクトの評価・選定プロセス】

財務部およびコーポレートコミュニケーション部が適格クライテリアを満たすプロジェクトを選定し、最終決定は社長執行役員もしくは財務部担当役員が行います。

【資金調達の管理】

調達資金の充当状況の管理は当社の内部管理システムを用いて財務部にて追跡・管理し、追跡結果は財務部担当役員もしくは財務部長が確認します。なお、調達資金が充当されるまでの間は、現金または現金同等物にて管理します。

【レポーティング】

資金の充当状況に係るレポーティング

調達資金が全額充当されるまでの間、充当状況を年1回ウェブサイト上に開示します


環境改善効果に係るレポーティング

  • 下記項目を年1回ウェブサイト上に開示する予定です。
  • 建設期間:認証取得手続きの進捗状況
  • 竣工後:有効な環境認証の一覧、エネルギー使用量、CO2排出量、水使用量
  • 適格クライテリアを満たすグリーンビルディングが含まれる当社の省エネ法届出対象施設全体の実績

指標と実績

グリーンファイナンス概要

名称第2回利払繰延条項・期限前償還条項付無担保社債(グリーンボンド)
条件決定日2019年3月8日
発行日2019年3月15日
償還期限2059年3月15日
発行総額500億円
資金使途Hareza池袋の取得・建設資金およびリファイナンス
中野セントラルパーク サウスの取得・建設資金のリファイナンス
適格性評価Green1(JCR)
  • グリーンボンドとしての適格性については、第三者評価として、日本格付研究所(JCR)から、「JCR グリーンボンド評価」の最上位評価である「Green1」の本評価を取得しています。

グリーンファイナンスに関するレポーティング

資金充当状況●Hareza池袋:13,041百万円
●中野セントラルパーク サウス:全額充当済み
(2019年12月末時点)
環境改善効果認証取得手続き中:なし
認証取得済み:
●Hareza Tower(Hareza池袋)
DBJ Green Building認証:星5つ
CASBEE-建築(新築):Sランク
BELS認証:星5つ(ZEB Ready)
●中野セントラルパーク サウス
DBJ Green Building認証:星5つ

エネルギー使用量・CO2排出量:

「気候変動」に記載

水使用量:

「水資源」に記載

国内初のグリーン・ハイブリッドボンド発行(不動産セクターでは世界初)

東京建物は、2019年3月にグリーンファイナンス・フレームワークに基づく公募ハイブリッド社債(グリーン・ハイブリッドボンド)を500億円発行しました。

グリーンボンドとして発行される公募ハイブリッド社債は国内初(不動産セクターでは世界初)の事例となります。

発行時は、社債需給が軟化する厳しい発行環境に加え、劣後特約という商品特性にも関わらず、国内最高水準のグリーンビルディングを対象にした国内初のグリーン・ハイブリッドボンドであることや透明性が高いフレームワークなどに好感した多数の投資家から需要が寄せられ、発行時の国内のグリーンボンドとしては、最長・最大となる期間40年、発行額500億円の調達に成功し、最多投資表明数26件を獲得しました。

TOPICS『ESGファイナンス・アワード・ジャパン』環境大臣賞(銀賞)受賞

東京建物が発行したグリーン・ハイブリッドボンドは、環境省が創設した『ESGファイナンス・アワード・ジャパン』のボンド部門にて、環境大臣賞(銀賞)を受賞しました。

本アワードは、ESG金融やグリーンプロジェクトに関して積極的に取り組み、環境・社会に優れたインパクトを与えた投資家・金融機関等や、環境関連の重要な機会とリスクを企業価値向上に向け経営戦略に取り込み、企業価値と環境へインパクトを生み出している企業の取組みを評価・表彰し、社会で共有することを目的として、環境省によって創設されたものです。

【ESG ファイナンス・アワード・ジャパンの受賞理由】

・国内最高水準のグリーンビルディングを対象とした国内初のハイブリッドボンド
・CBI(Climate Bonds Initiative)基準に沿った取り組みを行い、高い透明性を確保
・対象アセットはグリーンビルディング認証の上位レベルを取得
・500 億円という大規模な資金調達

ESGファイナンス・アワード・ジャパン表彰式
代表取締役社長執行役員 野村 均(左)
環境大臣 小泉進次郎(右)

適格グリーンプロジェクトの概要

Hareza Tower(Hareza 池袋)

「Hareza池袋」内のオフィスビル「Hareza Tower」は、建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)の建築物全体評価※1にて最高ランクである星5つ、事務所用途の部分評価※1では「ZEB Ready」認証をしています。本件は超高層複合用途ビル※2において「ZEB Ready」認証取得の第一号案件※3となります。

LED照明や明るさセンサー・人感センサー制御、高効率型空冷ヒートポンプパッケージの採用など汎用性が高い設備システムの導入に加え、事務所専用部における照明照度500lx器具の選定など、適切な設計条件の検討等を行うことで、高い環境性能を実現し、年間一次エネルギー消費量を同水準の標準的な建物と比べて50%削減しています。

またBELS認証の他、株式会社日本政策投資銀行による2019年度版「DBJ Green Building 認証」において最高ランクの星5つを取得。さらに、建築環境総合性能評価システム(CASBEE)の「CASBEE-建築(新築)」において最高ランクのSランク取得しています。

「Hareza池袋」完成予想図

中野セントラルパーク サウス

「中野セントラルパーク サウス」は、Low‐E複層ガラスや高効率照明、自動調光システム、自然換気システム、太陽光発電等を採用し、株式会社日本政策投資銀行による2019年度版「DBJ Green Building 認証」において最高ランクの星5つを取得。建築環境総合性能評価システム(CASBEE)の「CASBEE-建築(新築)」において最高ランクのSランク性能を達成※4しています。

また、周辺の大学や行政とともに約16.8haを一体的に整備した「中野四季の都市(まち)」は、随所に植栽を施すことで40%超の緑化率を実現。約3haの開放的な緑地空間(「中野四季の森公園」を含む)を創出しています。

「中野セントラルパーク サウス」(2012年5月竣工)

  • ※1
    エネルギー消費性能計算プログラム(非住宅版)Ver.2.7.1(通称WEBPRO)を使用
  • ※2
    建物高さ150m以上
  • ※3
    一般社団法人住宅性能評価・表示協会のuxebu サイト内、BELS事例データ一覧による(2019年6月末時点)
  • ※4
    CASBEE-建築(新築)」2010年度版自己評価による